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読書感想|コレクターズ・ハイ
こんにちは、天音です。
村雲菜月さんの『コレクターズ・ハイ』を読みました。
「なにゅなにゅ」というゆるキャラをこよなく愛する主人公(三川)は、クレーンゲームが苦手でグッズ集めに苦戦していた。ある日、クレーンゲームが得意な森本と出会い、頭を撫でさせるという条件で目当てのグッズをとってもらうようになる。
……というのが大まかなあらすじ。
なにゅなにゅオタク、髪オタク、ゲームオタク。
あとは仕事オタク……かな。
何かに執着している人たちの、一見交流しているようで実のところ一切交わることのない一方通行な視線が最っ高に気持ち悪い話でした。
誰1人として他人を見てない! すごい!
読み進めるほどゾクゾクする!!
わたしも結構キモめのオタクなんですが、この本の登場人物たちとは違って“一点集中型”じゃないんですよね。
ジャンルとか、キャラとか、広く浅くって感じ。
多分同じジャンルにいたら主人公からはめちゃくちゃ嫌われるタイプだと思います。キャラに対する愛が軽薄って。
そんなつもりはないんですけど、楽(アイナナ)もキャストリア(FGO)もシーサー(ちいかわ)も大好きだから……。
ちなみにですが、作中の「なにゅなにゅ」は東京駅でポップアップストアを展開していたり、ウエハース商品にもなっているのでちいかわやサンリオ的な知名度なのではと思いながら読みました。かなり人気ですよね。
外見はゲームキャラのスキンをイメージ。
主人公は自分とは違うタイプのオタクで、まさに本の中で異文化交流です。
読みながら主人公の自分以外のオタクに対する感想を見て、わたしはそんな他の人を見てないんだなと実感。
「推し」の話を目にする機会が増えましたよね。
『推し燃ゆ』や『推しの子』などなど。
好きを表に出しやすくなった現代だからこそ、誰かの誰かを好きな姿勢って共感したり反感を買ったりしやすいんだと思います。
誰かの推し方に苛立ちを覚えたことはありますか?
逆に称賛したことは?
当てはまるなら、この本の良い入り口です。
最近「趣味」についてよく考えます。
わたしの大きな趣味は読書です。
趣味といえば、多くのジャンルがありますよね。
ゴルフやテニス、山登りなどのスポーツ。
ドライブ……あとは釣りとか。
おかし作りや料理。手芸もですね。レジン作品とか刺繍とか。
もちろん勉強だって趣味になり得ます。
あなたが思い浮かべる趣味はなんでしょう?
それらは一つ一つ見たら別に普通の趣味です。
でも、没頭している人やものって忌避されがち。
真っ当そうな趣味も、固執すれば引かれます。
なんでかなって考えていたんですけど、もしかしたら人は、「交わらない視線」に対して漠然とした気持ち悪さを覚えるのかもしれません。
会話をしているはずなのに、相手は自分をみていない。
視線は自分を通り過ぎていると気がついたとき、薄寒い気持ちを味わい、その人とソレに拒否感を抱くようになる。
……これはちょっとわかる。
熱狂的な人でも、あまり人に引かれない人というのは、対象以外にも周囲に目を向けるのがとても上手なんでしょうね。
もしくは相手が視線を気にしないくらいガチで周囲と接触しないか。
今回は本当にひたすら感想記事になってしまいました。
いちオタクとして、作品や他人に対する目を意識した作品でした。
そこには絶対的な良いも、絶対的な悪いもないんですよ。
何かをコレクションしている人はぜひご一読を。
自分が何かを見る目。
自分が何かを見ている時の、周囲の目。
新しく気がつくことがあるかもしれません。
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