「Hypoxyphilia」
少し顎を上げる。目線はあなたの瞳。優しい人。
美しい指先が、私の首を掴む。モノのように、確実に。
力が込められ、思わず目を閉じてしまう。
見ていたいのに、無駄にできる瞬間なんてないのに。
こめかみが張り詰める。脳が破裂しそうな圧迫感。
緊急事態は誤報となり、たちまち幸福へと導かれる。
快感が押し寄せ、多幸感は最高潮。
ここまでは知っている。自分ではここまで。
その先に触れたくても、望んではいけない。
あぁもうだめだ、なんて思わない。
愛しいその手が、力強く私を引き上げる。
「