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「犬でも豚でもない、人でもないあなた」

例えばあなたの美しいお顔に、砂糖をたっぷり使った安っぽい生クリームを塗りたくったら。
「ちょっと、だめだよ」と迫る私の両手を取り押さえようとするけど、油分で滑り、もみくちゃになった私たちは二人してクリームまみれになるだろう。ヘトヘトになり座り込んだ床の上、狂ったかと怯える彼に甘ったるいキスをする。

例えばあなたの白い手に縄をかけて、身を捩ってもしゃがみこめないよう吊るしたら。
逃げられないあなたに近づき「騒ぐなよ」と一言。まだ綺麗な身体の隅々まで暴行で彩り、一層美しくなっていくあなたに惚れ直すだろう。ヘマをしたあなたが悪いのだ。だから好きなんだ。

例えばあなたが失敗し排泄物にまみれたら。肩を落としシクシクと泣くその背中を蹴り、浴室へと誘導する。シャワーの圧力を最大限に上げ、浴室の隅からあなたの全身に目掛けて放水。臭いがきついね。いつもいい香りを纏うあなたは上書きされてしまった。弱々しくて、本当に惨め。けど、そんなあなたが手に入り、やっぱりどこか嬉しい。

例えばあなたの顔面が私にとっては性具になったら。手入れを欠かさない柔らかな肌。ツンと尖った鼻。頬を寄せ合った皮膚の上を滑り、じゃれ合った突起が私を刺激する。顔を差し出すあなたに意思はなく、ただ私に使われるだけ。私なんかに汚されて。いや、他の女に汚されるよりはいい。あなただけでは美しすぎる。実は私、自分用の大人の玩具って持ってないの。一回使うと汚く感じちゃって。清潔な自分の部屋に置いておきたくないのよ。だから、あんたも早くお風呂入りなさいよ。

例えばあなたが私の便器になったら。未だ誰も成し遂げていない、最も私に近い存在になれたら。それは特別で、代わりなんていないのよ。吐き戻すんじゃないかと見守った一回目。私は頭を撫でた。慣れたかもしれないと喜んでいた五回目。私は小さく微笑んだ。自ら犬食いをしている現在。私は、あなたと部屋を分けた。

あなたが特別な存在になればなるほど、確実に遠ざかっていくあなた。
以前よりも愛おしいけれど、愛の言葉を交わす対象ではないあなた。
愛したあなたにしか湧かない欲望。
全て私が望んだこと。あなたはすごくいい子。

これ以上ない幸せな日々。
ほんの少し、昔を思い出しただけ。

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あまね@ SM短編
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