『真逃』
肥えた体に鞭を打つべく、今夜も公園を走る。
誰ともすれ違わないが、今日は迷い犬と一緒だ。
「おい、いたぞ!あそこだ!追え!」
振り返ると、警官3人が此方を指差している。
え、俺?何故?答えは出ないまま、加速した。
「逃げたぞ!追え!捕まえろ!」
何なんだよ、もう。ペースが乱れてキツい。
苦しさに負け止まった。警官が走り抜け呟く。
「セレブ犬のくせに、逃げ足の早い奴だなぁ」
犬かよ。堂々と出来ない俺は、器が小さいな。
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