『糸食』

お腹が空いた。若くて綺麗な女が食べたい。

いつでも網は張っているが、なかなか現れない。

諦めようとした時に、美しい彼女がやって来た。

「ようこそ、僕の城へ。美味しそうだね」

「いつも、こんな風に私の仲間を食べてるの?」

「そうだよ。そういう世界に生きてるんだから」

「じゃ、私で最後にして。それならいいわ」

獲物の頼み。空腹に耐えられず、承諾した。

なんて美味な蝶なんだ。約束も飲み込んだ。

新しい網を広げながら呟く。「さあ、おいで」


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