『傘泣』
あら、あの子またあそこで雨宿りしてるわね。
ずっと気になってる子なんでしょ?
行ってあげなさいよ。私の大きさなら、
あなたたち二人くらい余裕で濡れないから。
あ、また俯いて通り過ぎる。意気地なしね。
また雨だわ。きっと今日もいるはずよ。
いた!、、だけど、誰かに声をかけられて
行っちゃったわね。憧れの相合い傘で。
泣くくらいなら、早く声かければいいのに。
仕方ない。隠してるから思い切り泣きなさい。
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