「管楽器奏者は歯が命!」
僕とトロンボーン
僕の趣味であり特技はトロンボーンの演奏です。
中学校の吹奏楽部から吹き始め、ブランクも楽器の変更もなく、
34年という長い間、続けることができています。
一人で演奏することもできるし楽しいけれど、
トロンボーンという楽器は和音(ハーモニー)を演奏してこそ真価が発揮される楽器です。
吹奏楽から、アンサンブル、そして管弦楽団(オーケストラ)へ。
演奏するステージは少しずつ変わっていきましたが、吹き続けられる環境に身をおけていることには日々感謝しています。
そして、音楽で心を通わせ、たくさんの人と気持ちを一つにして演奏をすることは、聴いてくださる多くの人の心に癒しや感動をお届けできる、素晴らしいことだと思っています。
本番にむけての練習――それは苦労の日々の連続なのです――も大事ですが!
何をおいても健康第一!
特にオーケストラの管楽器ともなると、ひとパートに一人の奏者しか割り当てられませんから、病気やけがで穴をあけるなんてできません。
ですが我ら管楽器奏者にとってもっと大事なところがあるんです。
管楽器奏者にとっての“歯”とは
管楽器奏者では、演奏を行う際に楽器にあてる唇の形を「アンブシュア」と呼び、適切なアンブシュアが美しい音を奏でるために必須なのです。
金管楽器奏者は唇を震わせて音を出すので、乾燥によるひび割れ、
ヘルペスやできものなどには気を付けなくてはいけませんが…
木管楽器・金管楽器共に
大事なのはやっぱり「歯」です!
個々人の歯並びの関係で、奏法などに多少影響が出ることもありますが、
キホンのキと呼べるのは、歯磨きを中心とした日ごろのケアです。
『芸能人は歯が命』
なんてキャッチコピーが平成の頃ありましたが(※1)
むし歯や歯周病、歯並びの乱れなどにより歯の状態が悪くなると、
アンブシュアが上手く作れず、演奏に悪影響を及ぼします。
ちなみに、差し歯や入れ歯でも、ちゃんと治療やケアができていれば、問題なく演奏できるそうです。
でもやっぱり、「8020運動」なるものがあることでも知られていますが、いつまでも自分の歯でいたいですよね。
ところで…
オーケストラを題材にした映画『太陽とボレロ』には、演奏会前に管楽器奏者たちが一生懸命歯を磨いているシーンが登場しますが、僕たち管楽器奏者は、演奏前にとにかく歯は丁寧に磨きます。
もちろん、「虫歯にならないため」が第一の理由ではあるのですが。
ここで読者のみなさん、考えてみてください。
歯を磨かないまま楽器を吹いたときの末路を…!
口の中の食べかすが、リードやマウスピースに付着するのは言うに及ばず
オーボエなどのダブルリード(二枚のリードを震わせて音を出す)楽器では、リードの間に食べかすが詰まり…!
においの強いものを食べた後だったら、音と共に嫌な臭いも…!
さらに金管楽器に至っては、管内にまで入り込んだ食べかすが後々になってこびりつき、おぞましい姿に…
「キャアァァ~ッ!!!!」
…となるわけです。あぁおそろしい(笑)。
というわけで。
僕が楽団にもっていくトートバッグの中に入れている歯磨きセットがこちら!
僕の今の歯の状態〜自分の歯に感謝!〜
僕は八重歯がないまっすぐな歯並びをしていて、上下の噛み合わせにも問題はありません。
親知らずは四本とも出てきておらず、完全に埋まっています。
(これを「完全埋伏智歯=かんぜんまいふくちし」と言うそうです)
子どもの頃からあちこち虫歯にはなりましたが、完全に治療してあり、永久歯を失ったこともありません。
数年に一度、歯科検診を受けて、あれば歯石も除去しています。
唯一、年齢とともに痩せてくる歯茎の下がり具合が、普通の人よりも大きいことを指摘されました。
今年の夏、冷たい水で歯が沁みる知覚過敏がとにかく痛かったので、診てもらったところ、歯と歯茎の間を埋める治療をしてもらいました。
これは、力を入れて歯を磨きすぎる癖があることが原因。
それ以来、歯ブラシはふつうの毛並みの中でも柔らかめの物を使い、真横に持って、ゆっくり小刻みに優しくブラッシングするようにしています。
大好きなトロンボーンを吹き続けられることも大事ですが、
演奏後の楽しみでもある打ち上げでの飲食も含め、日ごろから自分の歯でおいしくものを食べられるということが、いの一番に大事ですものね。
いい歯のために、これからも歯磨きをはじめとした歯のケアを丁寧にしていこうと、ちょうど「いい歯の日」である11月8日に投稿して思ったのでした。
あらためて
「管楽器奏者は歯が命」!!
最後までお読みいただきありがとうございました。
※1:俳優の東幹久さんと高岡早紀さんが共演し、1995年から放送された、「アパガード」という歯磨き粉のテレビCMがきっかけで、流行語大賞にもなったフレーズ。
ちなみに、毎年8月1日は「『歯が命』の日」らしい…。
※トップの写真は2024年の夏、東京芸術劇場で開催された、ジャパン・アマチュア・オーケストラフェスティバル東京大会でのリハーサル時の様子です。