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「上司がAIになりました(橋爪大三郎著)」を読んだ感想(#188)
キャッチーなタイトル。
副題に「10年後の世界が見える未来社会学」とある。
ヒグチユウコさんのトリの絵(オウムとジュウシマツ)が装画になっている。というのがきっかけでこの本を知り、Kindleで購入して読んだ。私はヒグチユウコさんの絵のファンだ。
AIに私が期待していることは数々ある。シドニーに永住しながら、こうやって日本語で文章を書いてるのも。日本語で小説を書きたい。文章が上手くなりたい、と思って毎日文章書いて投稿しているのも。AIが私の書いたものを瞬時に「プロ並み翻訳」する日が来るだろう。オンラインで投稿した瞬間に世界中誰でも私の文章を自国の言葉で、すぐに読める。だから私が苦労して英語で書く必要ないだろう、と判断したからだ。英語力を上げるよりも、日本語力、文章力、小説力(こんな言葉ないが想像してくれ)を上げる方が大事だと思ったからだ。
この本は2時間ぐらいで読んだ。
完読ではない。4章に分けて書かれているが、1〜3章まで読んだ。4章は読んでない。あんまり興味なかったから。正直、ほとほと読むのに疲れた、という理由もある。
読む前からいちばん興味があったのは、3章の「AIが教育をどう変えるか」という部分だった。読んで、だいたい私が想像していたのと大差なかったので、ああ、やっぱりそういう方向になるのかぁ〜とおもった。
私が絵を教えている生徒さんの中には発達障害を持っている若者が少なくない。彼らは特殊な学校に通って勉強している。そこでは、年齢のバラバラな若者が同じ教室に集まり、オンラインでそれぞれのペースに合わせて勉強している。先生は教室にいて、生徒の間を歩き回り、困った生徒のサポートしたり、時には生徒と軽いおしゃべりをしている。その様子を聞いたときに「わぁ羨ましい。これだったら私も学校行きたいな」と思った。生徒みんなが「同じ」にならなくていいということは、同じじゃないと「はじく」つまり「いじめ」が減るということだ。「違う」が当たり前になればいい。
それと同じようなことが本にも書かれていた。「学校をやわらかく組織し直す」という言い方をしている。
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<一部引用>
学校を縛り付けていた制約(学年、学級、教科書、一斉授業)が、生成AI系の教育ソフトによって取り払われる。教員は、膨大な定型的サーヴィスから解き放たれる。その余力を、支援が必要な子どもへのサポートや、教育ソフトに任せられないプログラムなど、本来の教育に当てることができる。
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家で勉強したければ、すればいい。学校では、設備と準備と知識が必要な活動、集団で行うのにふさわしいものを行う、と言ってる。自然観察、実験、社会見学、音楽、図工・・・。これだったら、学校行くのが楽しみになるかもね。みんなでワイワイ楽しく遊ぶように学べることだけをしに学校に行くんだから。
読んでいちばん興味深く面白かったのは、実は1章だった。
官僚制と文書主義
軍隊は文書が苦手
文書が作った幕藩制
こうやってサブタイトルを並べてみてわかるでしょう?いかに組織にとって文書が必要不可欠であるかが。これまで文書を特に意識していなかったけど、言われてみて、なるほどと思った。どの組織も「文書」に膨大な時間と人力をかけている。それをAIがヒュルっと取り上げて代わりにしてくれるとなれば、どれだけ組織が大きく変革するか、私でも想像できる。
2章が「上司がAIになりました」となる。AIの助けによって、会社はシンプルに2層構造になる。「経営者(取締役)」と「現場の職員」のふたつ。管理職はAIが受け持つ。昇進という概念がなくなる。
でもね、管理職の「人間」はいる。仕事はAIにしてもらうんだけれど、AIの仕事を見守ってる立ち位置。「私が管理職ですが、AIをフルに使って仕事してるんです」というスタンスの人間は必要だという。AIが管理職の仕事を全て請け負っているのに、なぜ、人間も一応そこに置いとくのか。理由が笑える。
「なぜ、ヴァーチャル管理職に頼ってはいけないのか。ヴァーチャルは会社の外で、会社を代表して行動することはできない。停電になればその途端、影もかたちもなくなってしまう存在だ。企業がそんなものに頼ってはいけないのである」
「停電になれば・・・」って。なんか、理由が当たり前すぎて笑ってしまう。昔見て笑った紙の本を紹介する動画を思い出した。「これはですね、紙という素材でできた本です。なんと、電気がいりません!OSをアップデートする必要もないんです。お風呂の中で読んでも大丈夫。こうやって角を折り曲げればシオリの役目を果たすんです!そして安い!」電子書籍をディスる動画だったけど、紙の本の当たり前の性質がどれだけ素晴らしいか・・・。笑えた。
10年後にはそうなっているのだろうか。著者も言っているが、それは誰にもわからない。ま、そうだよな。私が10年後も生きているという保証もないしね。まずは今日一日、やるべきことを楽しくやるべ。
あなたは「紙の本」派?「電子書籍」派?迷うよね〜。電子書籍って、電気なくなったら読めないんだよ、知ってた〜?あなたの想像力が私の武器。今日も読んでくれてありがとう。
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