4年ほどNacon Revolution Pro Controler(ナコンレボリューション)と付き合ってきたレビュー
僕の彼女を紹介します(大嘘)
昨今、巣ごもり需要が増えた名残りでインドアに目覚めた人もいたりで、おそらくパソコンやプレステでゲームする人も増えたんじゃないかなと思います。
そんななかで、コントローラー(ジョイパッド)にこだわる人もいるのではないか。
なかでもnacon(ナコン)が気になる人に向けて、このコントローラーをRevolution2〜V3に乗り換えつつ4年付き合ってきた感想を書いておきます。
総合評価:予算に余裕のあるセミガチ勢〜こだわりエンジョイ勢向けコントローラー
俺は広告収入貰ってるわけでもないので回りくどい書き方とか過剰な書き方したくないです。いきなり結論と総合評価からドンと出しザクザクっとまとめて、あとから細かい説明をしていきますので最初だけ読んで終わっても結構です。
naconは「セミガチ勢〜こだわりエンジョイ勢向けコントローラー」だと言えます。個人的な評価としては「すごくしっかりしてて俺は好きだけど……高いからホントに好きもんじゃないと勧めないかな」ってとこですね。良いものだとは思うし、予算に余裕があるゲーマーには勧められるけど、無理矢理コレ買いなよ!って言うほどではないポジションです。
品質
まず全体的な作りから見ていくと、パーツの品質的によく出来ています。
よくある中華製のパチモンのガタガタしたよくわからんコントローラではなく、naconはちゃんとしたパーツで作ってる感じです。スティックが最初からグニャグニャにヘタってたりとか、ボタンや本体にバリだらけ!ということはありません。若干スティックの反発が柔らかめだと思いますが異常なほどではなく、お値段分にふさわしいパーツを使ってる印象です。
俺が最初に使っていたRevolution2はだいたいハードに使い倒して2年ちょっとでスティックの接合部の樹脂が折れてV3に買い替えたので、あくまで個人の経験談ですが耐用年数はそのくらいを想定されるといいかもしれません。
握り心地・フィット感
まあまあ良いですね。
PS4コン(DUALSHOCK 4)と比較して、グリップ部分が少し太めの印象を受けます。スティックが左上にあることも含めて、全体的に箱コンに近い。
逆にこの太さゆえに、手が小さい・指が他の人よりショートな方にはあまり向かないとも思います。
重さは中にウェイトを入れることで好きなように調整できます。軽くしたい人は抜いてもいいですし、あんまり軽すぎるとしっくりこない人にも使いやすいと思いますね。
また、最近のnaconはこの錘(おもり)を入れるカバー部にチェッカリング(滑り止めの突起)が付いているので、ツルッと行きづらいところも良いところです。
以上です。
詳解
とりあえずザックリ知りたい人向け情報は書き終わったので以降で詳しく書いていきます。
自分の評価軸
詳しく語るにはまず自分の評価基準に触れておくことが大事かなと思うので、軽く「おれという人間がどういう基準で考えてるのか」を説明しておきます。
自分は20年ほど家庭用ゲーム機として任天堂ハードやプレステを経由し、現在PCゲームをテレビに繋いで寝転がって遊ぶ、というスタイルを主眼として環境を作っています。アクションからRPGからFPSからレーシングからADVまでどのジャンルのゲームでも遊びますが、強いて言えばレインボーシックスといったFPSやTPSといった銃を扱うゲームが多いため、重視しているのはシューター向けデザインですかね。
naconを愛用し始めたきっかけはPS4で遊んでいるときにDUALSHOCKの接続が切れるというコントローラーにあるまじき不具合が頻発してハゲ散らかしたため、絶対に通信が途切れない有線で使いやすいコントローラーを……と考え選びました。
以上が自分のプレイスタイルです。似ているプレイ傾向の方はおれの意見が参考になるかもしれません。
このコントローラーの立ち位置
個人的見解を言わせてもらえば、このコントローラーを使ったからと言ってゲームが上手くなるわけでもなんでもありません。快適にゲームをやりたいかどうか。それだけですね……。
本気でゲームをやり込むプロを目指すならハイスペックPCやプロと同じキーボード・マウスで環境を作ってデスクにかじりついてやってると思うので、ガチの人ならそちらにこだわることを勧めます。あるいはパドルの使いやすさであればSCUFのようなオーダーメイドのコントローラーを注文したほうが間違いない。
逆に、ごくふつうにゲームを遊びたいのであれば箱コンやPSコン、最近ではHORIがSWITCH対応のGCコンを出してたと思うのであのあたりをオススメします。ああいう純正品とかメーカー認可品ってのは意外とよく考えられて作ってあるので、基本的にあれで十分です。安いので壊れても買い替えが楽ですしね。
つまり、このコントローラーはこの中間の人向けということになるのではないかと思います。ゲームタイトルによってはあえてパッドのスティックでキャラクターコントロールをするためこれを選ぶプロの方もいますが、そうでないなら誤解を恐れずに言えば変態向けです。
あの……ごめんね、もしかしたらこれから買おうかなって人がいる中で……そんな人が読んでるかもしれないのに言うのもなんだけど、このコントローラー1万数千円するのよ……?落ち着いて考えてみたらゲームが一本買えちゃうのよ……?
おれみたいに肌に合えばいいとは思うんですが、合わなかったときのショックと出費を思うとちょっと積極的にはおすすめしがたいです。
Q.じゃあこのコントローラー嫌いなの?
は?????????????
大好きだが?????????
壊れたあとV3に乗り継ぐくらい
愛しているが????????
以上に挙げたとおりちょっと純正コンより快適に使えるだけなので強くはおすすめして来ませんでしたが、おれは快適にダラダラ寝転がって遊ぶためにはこんくらいコントローラーに金出してもいいなと思ってるのでかなり好みです。
とにかくコントローラーの良さ、それは遊ぶ人の姿勢を問わないこと。デスクに向き合う必要がない。遊ぶ主従で言えばおれが主体でゲームやPCは従う側。おれは上、ゲームは下だッ!!!
そういうゴロゴロ環境で遊ぶ前提ならいいコントローラーなんですね。すでにデスク環境が構築されている人、良いキーボードやマウスがある人はそれらがもったいないので……。
各部について
では本題に入っていきましょう。
スティック
まず左スティック配置が箱コンと同じく左上になっていることがいいですね。
PSコン配置の難点はとにかく両指を常に本体中心に伸ばさなければならないことです。そうするとどうなるか。親指を伸ばしているためにトリガーにかけた人差し指・グリップを担当している中指〜小指が引っ張られ、おろそかになってしまう。
箱コン配置だと左手でスティックを操作しつつ余裕を持ってグリップしておけるので、多少右側の握りが甘くなったり、ボタンとスティックに右親指が行き来しても不安定にならない。
スティックがやや純正PSコンより高い設計なのも操作しやすい。世の中ではわざわざ純正コンのスティックにキャップをつけてかさ増しする人もいるくらいなので、もともと高めなのは「わかっている」設計です。
左右スティックの軸は金属製になっており、よくありがちな「軸の削れ」が一切起きません。ただ軸と指を乗せるお皿の接合部分は樹脂でジョイントされているので、ここが疲労で折れることはあります(実際、R6SにCoDにBFにと使い込んでいたRevolution2はここが折れた)。
また、箱コン配置だと矢印キーを人差し指で同時操作する、いわゆる"モンハン持ち"ができないのも欠点です(背面ボタンを使って多少おぎなうことは可能)。そこんとこは各自のプレイスタイルと照らし合わせて考えていただければと思います。
十字キー
これはかなり好みが分かれるかな………。おれはちょっと苦手ですね。
箱コン系のお皿状の十字キーになっているのと配置が右下になっている関係で好き嫌いが分かれるかなと思います。PSコンや任天堂系の十字キーはかなりハッキリとしたわかりやすい十字キーの入力ができますが、naconはグニャっとしているので若干不得手ですかね……。
おれの個人的な感想としては、あまりメトロイドヴァニア系ゲームでの酷使には向いていません。
ボタン
ボタン類は大きくて操作しやすい。マルチプレイで敵プレイヤーと撃ち合いになると咄嗟にガチャり気味になることがあるので、これは地味に助かります。
背面ボタンとしてグリップに4つボタンが配置されており、naconのドライバソフトで設定するとなんらかのキーを代行させることができます。個人的にあんまり押しやすいとは思わないのですが、たとえば矢印キーを設定しておいてBFのガジェットをすぐ出したり、Killing Floorのメディキットをショートカットで呼び出せるので快適にはなりますね。
トリガー
トリガーは人によって分かれるでしょうが、好みに合えば最高ですね。
シュータータイトルで多用するであろうR2/L2は深めの引きしろがあり、どのあたりで入力判定が始まる・最大入力になるかをドライバソフトで細かく調整できます。
ものすごく浅いところに設定してセンシティブでピーキーなヘアトリガーにするもよし、深めに設定してクリープを確保するもよし。このへんは銃のトリガーと同じでお好みで。
R1/L1キーは青軸のキーボードのように非常にクリッキーで感触がわかりやすいスイッチになっています。ちょっとうるさいのが難点。ゲームでセミオートの武器を愛用する人はこっちにトリガーを設定してもいいかもしれませんね。
純正コンは指置き部分が長くて微妙に引きにくさや置いたときの暴発があるトリガーですが、naconはガードが付いているので置いたときにトリガー自体がそもそも接地しません(画像の通り、トリガーが浮く)。暴発は全くと言っていいほどないです。
おれのゲーム遍歴からトリガーの好みを語らせてもらうと、CoDのような瞬発力を求められるタイトルだとこのような深めのトリガーはちと癖があるかもしれませんね。
逆にR6Sのようなフレンドリーファイア有りのタクティカルシム系FPSだととにかく誤射が怖いので、ドライバソフトで深めのポイントに入力判定を設定しておき「指はトリガーにかけているが、引ききるまで発砲できないようにする」といった、あえてシアが落ちるまでのような重みをつける調整が効くのは通好みと言えます。
ユーティリティ
次に、純正コンにはない独自機能を説明していきます。
本体を裏返すとトグルスイッチとボタンスイッチがついており、これをカチカチやることでモードとプロファイル(キーアサインやスティックの入力カーブをまとめた設定セット)を切り替えることができます。
プレステで使うための1モード・2モードとPCモードの三種のモードがあるのですが
1モードはあらかじめnaconが設定したプリセットのプロファイル(変更不可)が4つ入っている状態。2モードはユーザーが好きに変えられるプロファイルを4つ入れておける状態。
PCモードはいわゆるXinputになっており、これもプロファイルを好きなように4ついれておけます。steamなどはPSコンに対応しているのでモード2でもどっちでもいいんですが、非steamのゲームを遊んだりするときはこっちにすると正常に認識しますね。
基本的にはモード2かPCモードを使っていくことになるかなと思います。
ドライバソフト
パソコンに繋いでドライバソフトでいじってやると、各種設定をコントローラーの中に保存しておけます。
このドライバソフト、naconの日本語版ページでは会員登録がうまくいかず一回わざと英語版ページにアクセスする必要があるなどちょっとめんどくさいのですが、手に入れれば本当に細かく設定できます。
設定できる項目はめちゃめちゃ多いので一部抜粋となりますが、
スティックの入力カーブ(感度)
デッドゾーン
R2/L2の入力判定の具合
振動の強さ
キーアサイン(背面ボタン含めた全部)
LEDのライトアップカラー、光量
といったところになります。
たとえばですが、「2Dアクションゲーム向けの設定をしたプロファイルとFPS向けのプロファイルで切り替える」といった使い方や「R1とR2を入れ替えたセミオート武器向けのプロファイルとふつうのフルオート銃向けのプロファイルで分けておく」なんてこともできます。
おれの実例を挙げると、スナイパーライフルを使うときなんかは微細な操作が物を言うので加速度のないリニアなスティックカーブにして極限までデッドゾーンを絞りますが、サブマシンガンで突っ込んでいくときにどうたらこうたら気にしてると死ぬので加速度を強めにかけて瞬時に振り向けるようにしたりします。そういった立ち回りに合わせたセッティングを使い分けることもできますね。
また、デッドゾーンを調整することでスティックのドリフトが起こり始めても多少殺しておくことができる……というのも、副次的にですが良いところだと思います。高いコントローラーなので不調でもしばらく使い続けられるのは助かりますね。
最近はsteamのほうでもコントローラー設定ができるようになっているのでデッドゾーンが二重になっていないかチェックしたりする手間はありますが、好みに合わせて追い込むことでコントローラー起因のミスマッチで起こるイライラをものすごく小さくできるのは非常に良いところだと思います。
まとめ
コントローラーのレビューなのに嫌いだと言ったり好きだと言ったりヤンデレのような記事になってしまいましたが、総評しておれにとってはとても好きなコントローラーです。
品質自体はよく、Apex Legendsのプロ(NIRU氏)が使っている実績もあり、好みに合えばじゅうぶんオススメできるものではあります。
ただ、消耗品のくせに値段がそれなりにする…という点がネックかなと。
ある程度は純正コントローラーにキャップをつけたりエイムリングをつけたりで補えますし、最近ではサードパーティ製の箱コン背面ボタン追加キットがあったり、タートルビーチが背面ボタンありのジョイスティックとかを安く出してるので、ちょっと経済的に……という方はそのあたりから始めてみるという手があります。
「オーダーメイドとまではいかないけど、ちょっと快適にゲームやりたいな……予算は十分あるしな……」という方であればかなりオススメできるツールだと思います。
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