「あなたの真中」(詩)
あなたはわたしの中心におりてきて
ちいさくすわりこむ
なにをしてほしいとも
なにをはなしてくれとも
言わないままで
まんまるなめを そめて
りょうがわをいっしょにもちあげてわらう
あなたによべばよかった
わたしのなまえをあげたらよかった
そうしたら わたしは
まるでひとつのようにふるまって
すべてをあたえあえたかもしれない
すわったままで あなたが
ゆっくりと しずかにかわる
ひとひらの花弁ほどもおもくない
そのまつ毛をひとふり
おわりも告げずに
あなたはたおれた
わたしの中心にそまる
しんぞうを立ち上がらせる
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