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「今だけの青」(詩)

ビードロのような薄青の空
泡より白い雲を浮かべて
ゆっくりと動いている
まだ 明けて暫しの空

君の話し方に似ているね
君の横顔の静かさにも
または 私に振られた
君の手首の儚さみたいでもあって

気づいたら寂しいから
瞼を閉じていたいのに
白い闇がどうしてもと
私の腕ごと掬い起こす

ためらいひとつない うつくしさ
かつてを洗う あたらしさ
涼やかな青に身は沈んで
私の手の甲は少し君と似ていた

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