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幽霊の鉛

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2023年2月の記事一覧

生命線 君が切ってよ 命綱
伝ってきた僕の手を払って
指を一本ずつ剥がしていく
君は幸福だ 疫病神を追い払へ
僕の手を噛みちぎっておくれ

莫大な遺産を薄く伸ばして
そうは言っても我々の生まれですから
当時の彼らもそう思ってるでしょう
または別のこともすら
蛾に見えても蚕
瞬きが恐ろしい今はまだ初なので
それとも人類はまだ宇宙人とはお目にかかれていないから
皆 ファーストコンタクト
人に見えても屑
真に見えても嘘

クーラーボックスには家庭が詰まってる
峠を越すと宿には高い自販機しかないから
一番近くのコンビニで酒とジュースを買うのだ
それでも結局、宿でまた酒を買うのだ
それで家みたいに食器と怒号を飛ばして
ぼくたちはクーラーボックスに閉じ込められるのだ
冷えた暗い箱の中で、待つのだ

まちんぼうの木
あなたの液
あの人の顔を見て
殺したいなと思う
指をくわえるまちんぼうの木
臍に包丁が当たったあの日
カラーボックスが凶器となった日
ただ蹲ったまちんぼうの木
子作り巣作り金泥棒
知らないうちに忘れてる
わすれられたまちんぼうの木
傍で笑って死ぬまちんぼうの木

さびしい
誰かのせいじゃない
ただ森林に取り残されたまま
鴉が子に帰る頃
その下で糞を浴びたような
ただ海に取り残されたまま
母親が手を引く潮の満ち干き
その近くで溺れたような
誰もいない
見えない傍で頭の蛆だけが囁く
余計なことを
余計なことを

愚図愚図

しにてぇや
馬鹿の蛇口捻ってばっかで
何しに生まれてきたンだっけ
簡単な言葉に頼るって、さ
口付けをして 誤魔化してくれ
これは渇いているだけだって
ごめんな しにたいよ ずっと
誰も悪くないし 毛むくじゃらの体も
ひん剥かれた目も 頭も みんな大好きだけど
みんな怖いや
お前だって後ろにいるんだろう
深夜のベルには誰も出ない
這いずって
ここ数年で認めてやってから
アンタは後ろにずっと居て
それ

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ドブクズに言い訳を重ねて
怒涛の雨が叱っている
黒歴史量産の頭には今もB5の鉛筆と折れた芯ばかり
残ったやつはいつか使うからと溜めて何になった
口、腕、脚、何になった
全部Bランクで何になった
グラフにとび出てる社不文字が踊ってる
そら、来いよみんなで手を繋げよ
火でも付けよう

お姫様 俺の喉元掻っ切ってさ
俺を城から落としてくれよ
白いベッドを血まみれにして
胸元の宝石を奪った俺を
抱きしめるなンて馬鹿だろう
お姫様 あんたにゃもうすぐ王子がくるさ
そしたら俺を早くずた袋にいれな
焼却炉に放り込むんだ
もうすぐ幸せになるお前は
狂っちゃいけねぇンだ

少しおセンチなきもちになってから
なんともねれない
あ行からものを浮かべる睡眠法も
楽しいことを考えることも
頭の中にウジが湧いて邪魔ばかりする
溜まってンのかと一人相手をしてやって
仕方が無いのでオマケに薬を飲む
海の向こうの薬と性の手玉を浮かべながら
薄ら寒い汗かいて唸る