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留めておく

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田中泰延さんの本にも書かれていたけど、知識や体験がないという理由で、「自分が最近知った、しかし誰もがすでに知っていること」を鼻息荒く話す人がいる。自分が無知であると、若いうちにちゃんとした場所で凹む経験をしないとそうなるよね。

ドあつかましい。

ドあつかましい。

ある20代の女性から、自分にはこういうアイデアがあり、こういうビジネスモデルを考えていると聞かされた。

唖然とした。唖然とする経験というのは普段なかなかない。

本人の名誉のために詳しくは書かないけど、簡単に言えば「無知で未熟」。自分が知らないから、何か新しいことを思いついたと考えている。あまりにも無謀なアイデアなら、まだ可能性はある。「そんな荒唐無稽なことは不可能だろう」という発想の方が、実現

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今回は無料公開。「写真の部屋」

今回は無料公開。「写真の部屋」

写真を仕事にしたいと名乗りを上げた14人のメンバー。
クローズドなグループページでオンライン勉強会をしているんですけど、そこで気づいたことを「写真の部屋」購読メンバーの皆さんにも共有したいと思います。

クアラルンプールのコンテスト

メンバーに課題として参加してもらったポートレートコンテストですが、誰もファイナリストには残らなかったようです。

https://www.klphotoawards

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「他人が興味を持つ」

「他人が興味を持つ」

優秀な写真家を間近に見てきたから、自己評価では丁稚感覚が抜けきらない。しかし否応なく年齢だけは重ねていて、考えてもいなかった「審査員」というオファーをいただく。

内なる恥ずかしさと戦うために引き受けたけど、あと50年写真を撮り続けたとしても、決して「写真とは」なんて語ることはできないだろうな。

「始めたばかりではヘタなのが当たり前で、恥ずかしいと思う必要はない」という人がいる。たとえば本を出す

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まえけん。

まえけん。

年に2回くらい、前田健ちゃんが夢に出てくる。

昨日は気がつかなかったけど、命日の翌日だった。あまり神秘的なことは言いたくないんだけど、心が弱っているときに俺が勝手にまえけんを呼んでくるんだと思う。

俺がほんの少しでも人に優しくないことを言ったり、ネガティブなことを言うと、まえけんはたしなめてくれた。俺くらいの歳になると人から怒られることがほとんどなくなるので、貴重な存在だった。

大人になって

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1/1サイズの無知。

1/1サイズの無知。

「若いうちに外国に行く経験をした方がいいよ」と誰にでも言っている。

どんなことでも同じで、経験や体験の分母を増やすことは決して無駄にはならない。外国に価値があるんじゃなくて、なぜ自分がここに生まれたのかを外国という遠くから眺める経験が必要ってことだ。

俺は留学経験がないけど、本当はあまり考えが固まる前の10代に外国に行っておいても良かったなと思っている。

20歳を過ぎた頃、初めて外国に行って

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仕事の労力問題。

仕事の労力問題。

平林監督が「仕事のコスパ問題」について面白いことを書いていた。

彼の仕事ぶりは20年以上近くで見ているからわかるんだけど、とにかく「限界まで労力を惜しまない」が売りだ。

一番初めに平林監督に出会ったときは、まだ監督じゃなかった。ペーペーだった。ただ、のちに偉くなるペーペーだとすぐにわかった。俺のアシスタントをやってもらっていたとき「この人は一人前になって、多分俺は抜かされるな」と感じた。

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「内臓にタトゥー」

「内臓にタトゥー」

さて今年も無神経に一年を生きてきましたけど、くだらない話にお付き合いいただいた25000人のフォロワーの皆様に、特に感謝はしていません。

俺は全面的な肯定感を持っていない限り、付き合わないからです。「あの人とは、付き合いなんで断れないんですよ」という我慢を一切していなくていいから、反対に言えば、俺が会っている人の全員が「時間を使いたいと思う、大好きな人」ってことです。

そういう人だけに絞ると、

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聖なる夜に。

聖なる夜に。

もし自分に大人としての役割があるとするなら「50歳を過ぎて好きなことばかりしてふざけた毎日を送っていても、公務員の数倍の収入があって生きていけている証拠」を見せられることだと思っている。

定期購読マガジン「Anizine」
https://note.mu/aniwatanabe/m/m27b0f7a7a5cd
定期購読マガジン「写真の部屋」
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「経営者のプロフィール写真」

「経営者のプロフィール写真」

これを見て欲しい。

1660年創業、高品質なゲランドの塩「FLEUR DE SEL」を作っているBINET 1660。プロフィール写真に、経営者であるM. Cédric Pennarun と塩が写っている。

このお茶目なポートレートは、堅苦しくなく、やっている仕事が伝わり、印象に残る素晴らしい写真だと感じる。

日本の企業のリーダーがこういうのを撮るとはなかなか思えない。撮ろうとするカメラマ

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理解できない人。

理解できない人。

「プロフェッショナルになるために学ぶ」という話の時に必ず思い出すのが、ROLEX(だったかはうろ覚え)の入社試験の話。

円柱の鉄棒にやすりをかけ、断面を完全な平面にする実技テストがあるそうだ。合格するのは、完璧に仕上げた者、完璧には仕上げられなかったが、どこが未完成かわかっている者。

そして失格は、できていないのに「できました」という者。

つまり、自分の技能が足りていないことを理解できない者

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