【詩】スペシャルティ・コーヒー
コーヒーにはちょっとうるさい あなたが淹れてくれたコーヒーは
とくべつに 美味しい
淹れる直前にゴリゴリ挽いてくれて
わたし好みの 苦目のブレンドで
「愛の味がする」と言ったら
「大袈裟だな」って 少し照れて笑ったっけ
でもほんとうに
ひとくち飲むたび 心が生き返るようだった
味見をしては いつもすこし首を傾げていた
コーヒーにはちょっとうるさい あなたの味
自分ではどうやって淹れても
あの味にはならない
おかしいな、同じ豆のはずなのにな
やっぱりあれは 愛の味だったのかな
どんな高級豆よりも とくべつに美味しかった
もう二度と飲めない
私だけのスペシャルティ・コーヒー
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