暁空
ストンと落ち込んだ時、何もかもいやになったとき、全てが面倒で、死にたくなった時、そんな時はこれを読んでみてください。
大失恋しました。魂の片割れと思えるほどの人でした。気持ちを整理するために、ただ自分のために書いた詩です。
あなたと見つけた宝物、すてきな思い出たち
あなたの成功を心から願う私がいると同時に、 あなたが成功しそうになると急に不安に陥る自分もいる なんだか置いてけぼりにされそうで 相反する心が、一つの体の中で暴れる 置いていかないで、なんて言っても 置いていかれる時には置いて行かれるもの 私にはどうすることもできない 男女の縁など、意志の力で繋ぎ止めておけるものではない 全てはそうなるようになっているだけ 私は全てを受け止めるだけ それもまた、私の人生に必要なピースなのだと、静かに受け取るだけ そんなピースを集
電話が苦手なあなたとは 文字だけのやりとりが続く それも悪くはないけれど 文字だけでは 少しずつ心が乾いてゆく もらった切り花の薔薇も 枯れてしまった 薔薇は少しずつ花びらが落ちるのではなくて ある日突然、一斉にばらけるように落ちる そんな風に 私の心もいつか突然 臨界点を超えて耐えきれなくなってしまうのかもしれない 声を聞かせて 会って目を見て抱きしめて 吸い付くような頬を合わせて、 耳元で「会いたかった」って囁いて 「愛してる」の言葉で潤して もうお水だけでは
お気に入りの花屋さんで買ってくれた 2本の切り花 男性には珍しくお花好きのあなたも 自分用に2本 それぞれに持ち帰って 生ける 見るたび 互いを思い出し 可憐な美しさが 会えなくて淋しい心を癒す 毎日水を換え 切り戻し 大切に大切に慈しみ それでも少しずつ枯れていくその姿は あなたと切り離された私の心そのもの 長く離れていると、少しずつ萎んでゆく 互いの心そのもの お花が枯れてしまう前に また会えるかな 見つめ合い 抱きしめ合えば それだけで 嘘のように心潤い
死にたい、死にたい、死にたい、 と無意識に声に出る それはきっと 生きたい、生きたい、生きたい、 の裏返しなのだろう 幸せに 生きたい 愛と共に 生きたい あなたと共に 生きたい それが叶わないから、死にたい、と裏返る ひっくり返す、その者の名は、絶望 人は望みを失った時、生きる意味を見失う 鮮やかなほどに、一瞬に それでもほんの一欠片の望みにかけて 自分を奮い立たせてがんばるのだけれど それにもそりゃあ、限界があるよね 限界がきたら、そりゃあ、… とにかく
会えない日が続き、 幾重もの薄紙が分厚く私を覆ったころ ふと、 他の人でもいいんじゃないかと思ったりする この人じゃなきゃ、なんてただの思い込みで 他の人とも深く話してみれば案外 似ていたり、わかりあえたり、キュンときたり… するのかなぁ? 私は弱いから、 あなたみたいに強くはないから、 ちゃんと囲って、餌を与えて、ヨシヨシしてくれないと ふらふらとどこかに行ってしまうよ 野良猫のように自由でも居たいけど 飼い猫のようにぬくぬくと愛されたい ずっとあなたの膝の上で
運命の人、なんていうのは「気のせい」である 恋にはそう思わせる魔力があるのである 「私にはこの人だけ」と思うから 執着が生じて苦しくなるのである もし今、目の前の人に恋しているなら ただ、恋をすればいい 「今」、恋をしている ただそれだけでいい 運命の相手も運命の恋も「ツインなんとか」も 単なる「気のせい」 その愛はずっと続くかもしれないし 続かないかもしれない そんなのわからないし わからなくていい 一生愛する、なんて誓う必要は まったくない 大事なのはいつだっ
好きな人が好きだと言う本を、読む。 好きな人が好きだと思っただろう箇所を好きになって、 その人をもっと、好きになる。 好きな人が好きな本は、私の好きな本になる。 そうやって少しずつ、魂が溶け合っていく。 言葉が、表現が、感性が、私の一部となる。 言葉と感動が、私の人生を大きく変えてゆく。 これはある種、身体よりも濃密な交わり。 あなたを求め、あなたと一つになりたくて、 文字を食べるように、読む。
なかなか会えなくて、寂しさが募る夜 このまま私の中のあなたが薄れて消えてしまえば 楽になれるのにな、 全部夢だったと思えたら、なんてつい思う それほどに、会えない時間は長く苦しく 会えないほどに、想う時間は長く濃くなり あなたが居ないことは あなたが居ることだと、解る あなたの形にぽっかりと空いた不在が あなたの存在を嫌というほどに知らしめ、 代わりがどこにも居ないことに、打ちひしがれる 私を満たすのは、あなただけ できることは、紛らわせることだけ 満たされない夜
ピンクの髪は「むしろ全部ピンクでもいい」と 拍子抜けするほど好評で 私と似ているあなたの瞳は まごうことなき愛に溢れており うっかり飛びついてしまったまるい背中は やはり磁石のように吸い付き私を癒し あなたが淹れてくれた珈琲は 過去最高級の愛の味がした 相変わらずなんで好きなのかは皆目わからないのだけれど 私が惚れた手は相変わらずセクシーで 1.0倍速の穏やかな時間の中 変容した私の愛があなたを包む あなたをこれからもずっと愛すると伝えた でもそれは私の宇宙
よく言い合ったのは 「お互いが好き同士なんてすごい確率だよね」 例えば1クラスで両思いの確率は400分の1という 私がこれまで出会ってきた男性は何人だろう 出会いは少ないけど割と惚れっぽい その中でここまで惚れた男はあなたただ一人 あなたは仕事柄毎日たくさんの人と出会うけど 滅多に恋することはない その中でここまで惚れた女は私一人と言う そんなことがあるのだろうか そんな一人と一人が出会い、惚れ合うなんてことが? 私の人生分の1 × あなたの人生分の1=??? 40
10年前 あなたの祈りに導かれ 私はあなたの前に現れた それは疑うほうが難しいほどのタイミングで あなたの祈りに明確に 私が呼応していた それからはずっと友達で 何も起こらなかったけれど 近くにいることに意味があったのだろうか 今度は私の祈りにあなたが呼応した あのはじまりの夜は 明確に私が呼びよせたもの そして今 私たちは離れ離れになった これはどんな祈りによるものなのか 私はあなたの本当の幸せを祈った 私はわたしの本当の幸せを祈った (あなたは何を祈ったのだろう
会える予定だった日に 都合が悪くなり別の日にしてくれと あなたからの連絡 自分の思いがけない落胆ぶりに どれだけ楽しみにしていたかと思い知る どれだけあなたを好きなのかを思い知る ただ、待つ じっと、待つ 電話では、だめだから 顔を見て伝えたいことがあるから やっぱりこれからもあなたを ずっと愛していると伝えるため あなたに会いに行く どうなるかわからなくて怖いけれど 前に進むため 会いに行く
私の中の愛が変容しようとしている 彼にだけ向けられていた愛が 彼も私も含め 私の周りへ大きく広がってゆく 自己は反比例するように小さくなり 暴れ回っていたエゴはまだ時々顔を出すものの 次第になりをひそめていく 愛は穏やかに拡がり続け 彼に向けてだけ残るのは 恋心 恋と愛は明確に別物だ しかし、本物の恋が、本物の愛への扉を開くのだ これからも私は彼に恋をし続けるだろう たとえ一緒には居られなくとも その愛しい肌に触れられなくとも 彼に恋焦がれることそのものが 私の生き
大好きな人がこんな言葉を教えてくれた 「さよならを言うのが辛い何かがあるなんて、ぼくはなんて幸せなんだろう」 そうね、そうなのかもしれない 別れがここまで辛く苦しい人と出会えたこと それは それだけの幸せがあった裏返し この人生でかけがえのない人と出会えた証 何に目を向けるのかは 完全に自分の自由だ 失ったものに目を向け 悲しみに暮れるのも 豊かに在ったものに目を向け 感謝を送るのも 「辛」に一本足せば「幸」 上に目を上げ 「ある」と一つ足せば 裏表はひっくり返
新幹線に乗ると思い出すのは あの一駅のランデブー 在来線で30分の距離を あえて新幹線に乗り 一区間 「こんな無駄も楽しいでしょ」って 子供みたいな顔 私はもう 恋に落ちていて きっとあなたも 落ちていて 二人見つめ合い 手を重ね 永遠に停まらないでと願う 無慈悲にも最速の鉄道が あっという間に私たちを運ぶ 恋の始まり 絡まる指 交わる目線 とろけるように熱かった 一区間
古書店で何気なく手にとった詩集 ビビビと来て即購入 詩を読まない私が 唯一好きだと思った詩が 載っている詩集 後日あなたに話したら あなたも同じ詩集を持っていると いくらあなたが読書家だからといって この世に万とある本の海の中 同じ詩集を偶然求めるなんて しかもこんなに狭く小さな古書店で まるであなたにビビビと来たみたいで 気持ち悪いような すこし嬉しいような そしてそんな二人が睦まじくいるためには 今となってはいったい 何をどうしたらいいものやら