NHK文芸選評への投稿作・10月
10/7 俳句 選者:池田澄子先生 兼題:菊
祭壇の菊のその後を思ふなり
菊香るやっぱり言うね本心を
菊一輪ほのかに影のある立居
※祭壇の句は入選に採っていただきました。
池田先生、ありがとうございます😄
10/14 短歌 選者:岡野大嗣先生 兼題:くっつく
オナモミを連れてきたのはおまえだね畳の上に一個ころがる
二人だから今年の冬はあったかいトラが来てよかったねおまえ
あの人がいいねしたから私もね電海に忖度の波がひろがる
いつまでも姉にくっつき友人に叱られたっけ姉の結婚式
※三首目は他者批判ではなく自分の中にも無いとはいえない感情。ネットよりも職場での方がよほど深刻だわ(苦笑)。本音が言えないと自分が自分でなくなっちゃうような。自分への戒めのような感じで詠みました。
10/21 俳句 選者:鴇田智哉先生 兼題:蜻蛉
とんぼうや生駒を越えて来る敵機
とんぼうや生命の生れ帰る水
とんぼうや水際あれば産気づく
まだ足の動く蜻蛉を石に置く
※一句目。大阪で空襲終えたあと生駒山を越えてくる敵機がいくつかあり、地上の人をパパパッと撃つ。それで死んだ人もいた、という祖母の話から。
10/28 短歌 選者:佐佐木頼綱先生 題詠:パラスポーツ
力強くリターンをせる国枝慎吾の脚の細さに息を呑みたり
ピストリウスの疾走初めて見たあの日録画戻して何回も見た
あの選手脚ほっそいね大映しされたり身を立てる撓る板
※陸上のオスカー・ピストリウス選手を初めて見た時、衝撃受けました。あんなに高速で走っても折れないし脚から取れないカーボンの板どーなってるの!?と。本人の才能や努力はもちろんながら、人間の醸し出す知恵や技術のすばらしさにも驚嘆しました。