アルセーヌ・ルパンの事件現場を巡る⑨-マリー・アントワネットの首飾りにまつわるミステリー-
みなさん、こんにちは!
今日も、「アルセーヌ・ルパンの聖地巡礼本」をご紹介しながら、パリを巡りたいと思います。
今回取り上げるのは、『怪盗紳士』に収められている「女王の首飾り」です。
「女王の首飾り」については、過去記事をご覧ください↓
”女王”とは、ブログタイトルにもある通り、マリー・アントワネットを指しています。
「女王の首飾り」の冒頭では、マリー・アントワネットの首飾り事件の史実が語られており、作者ルブラン氏の歴史好きが感じられますし、「ベルサイユのばら」や”首飾り事件”を知っている人なら、すっとストーリーに入り込める冒頭になっていて、私は大好きなんです。
マリー・アントワネット関連のYouTubeも作っているので、あわせてご覧いただければ嬉しいです↓
冒頭で語られている通り、物語では、マリー・アントワネットの首飾りは、ドルー・スービーズ伯爵家が所有している設定になっています。
えっ⁉、あの首飾りは、ジャンヌが外国で売りさばいたから、もう存在しないんじゃないの⁉と思った方は、ベルばら好きか歴史好きか、ともかく首飾り事件をよくご存知の方だと思います。
私もそう思った1人です。
でも、冒頭をよく読むと・・・
ジャンヌの夫であるレトー・ド・ビレットが、イタリアでガストン・スービーズに座金を売り渡していたんですね。
ガストンは、イギリス人宝石商の手元に残っていたダイヤをいくつか買戻し、足りないところは全く同じダイヤで補い、なんとマリー・アントワネットの首飾りを見事に復元したんです。
以来、一世紀近くの間、”女王の首飾り”は、スービーズ伯爵家の人々が所有している、という設定になっています。
ある日、カスティーユ宮殿で開かれた夜会に、伯爵夫人が、”女王の首飾り”を身に着け、大成功を収めます。
この夜会は、もともとデンマーク王のために催されたが、その王でさえ、伯爵夫人の美しさに思わず目をとめたほど。
このカスティーユ宮殿ですが、パリのクレベール通り19番地に実際に存在していた宮殿なんですね。
この宮殿は、1908年からマジェスティック・ホテル、そして2014年からザ・ペニンシュラ・パリという名前のホテルになっています。
5 Star Hotel Paris, France - Luxury Hotel | The Peninsula Paris
元宮殿だったホテルだけあって、素晴らしい建物ですね。
凱旋門からも近く、さすが5つ星ホテル!という感じがします。
The Peninsula Paris(@thepeninsulaparis) • Instagram写真と動画
でも、ストーリーでは、伯爵夫人がこの首飾りを身に着けるのは、このカスティーユ宮殿での夜会が最後になってしまいます。
この首飾りとルパンがどう関わっているのか、ワクワクしながら読み進めることが出来る作品なので、未読の方は是非ご一読ください。