アルセーヌ・ルパンの事件現場を巡る⑤-ルパンが食事したパリのカフェ-
みなさん、こんにちは!
今回も、引き続きフランスで出版されたアルセーヌ・ルパンの聖地巡礼本↓をみながら、パリのミステリー現場を巡りたいと思います。
あわせて私のYouTubeもご覧になって頂けると嬉しいです↓
さて、今回は、『八点鍾』に収められている「水びん」に登場するカフェをご紹介したいと思います。
前回ご紹介した『金三角』が、少し暗めの本格ミステリなのに対して、『八点鍾』は軽快なフレンチ・ミステリの趣があるストーリーなので、とても読みやすいと思います。
「水びん」のストーリーについては、拙著や過去記事↓をご覧ください。
ルパンは、オルタンスと、友人が殺人罪に問われてパニックになっているデュトルイユと、テルヌ広場にあるブラッスリーリュテティアを訪れます。
私は、ブログやYouTubeでも度々言っている気がするのですが、パリの広場の中でもこのテルヌ広場が好きなんです。
ルパンは、リュテティアを訪れ、モリソー警部が到着するまで、ここで食事をするんですが、この広場には、現在リュテティアというブラッスリーはないんですね。
因みに、ブラッスリーとカフェは何が違うのかというと、ブラッスリーは大衆居酒屋に近く、お酒にあう料理を出すのに対して、カフェはコーヒーやお茶、軽食などを提供します。
この広場にリュテティアというカフェはないので、拙著にも以下のように書いたんですが・・・↓
なんと、聖地巡礼本の作者さんは、現在テルヌ広場にあるブラッスリーをリュテティアだとして取り上げていらっしゃるのです!
私は、当初、えっ!そうなの⁉と驚きましたが、でもよく思い出してみると、このテルヌ広場にはブラッスリーらしきお店が1件しかなかったんです。
(拙著の右側の写真に写っているブラッスリーがそうです。)
このブラッスリーは、現在ラ・ロレーヌというお店で、1919年から存続しているようです。
『八点鍾』が出版されたのが1923年なので、作者モーリス・ルブラン氏は、このお店をリュテティアとして「水びん」に登場させたのかもしれませんね。
お店が出来た1919年から名前がラ・ロレーヌだったのかどうかわかりませんが、このお店に作者ルブラン氏も訪れていたのかもしれません。
ブラッスリーですが、ほぼカフェと変わらない雰囲気のお店だったので、今度パリに行ったら、ここで是非食事してみたいと思います。
ルパンはここで、どんな食事を頼んだのでしょうね。
ラ・ロレーヌさんのインスタも見つけたので、ご興味ある方はご覧になってみてください。
素敵なお料理が並んでいます↓
Brasserie La Lorraine(@brasserielalorraine) • Instagram写真と動画
ルパンは、ここで食事している時に、既に犯人の目星をつけていて、犯人はこのお店のあるアパルトマンの6階に住んでいると言うんですね。
さすが、ルパン!
「水びん」を読んだことがない方は、是非一度読んでみてください。
『八点鍾』の短編小説は、全てお勧めです!