ヘッセの読書術|ヘルマン・ヘッセ
ヘッセはずっと「自己を見つめよ」と説く。
『ロゴスと巻貝(小津夜景)』でこの詩に出会い、『デミアン』『シッダールタ』を経てやっとここに戻ってきた。
再びこの詩と向き合う。
はじめて出会ったときと違うのは「きみ自身」の言葉の重み。
この重さを重さとして感じさせずに、変わらず優しい。
作者や書物に盲目的になってはいけない。
書物はあくまで出発点であり、刺激となるものである。
世界を解釈してもらうために読むのではない。
自分で解釈するのだ。
教養のためなどではなく、たわむれるのだ。
子供の頃、布団を洞穴やトンネルに見立てて遊んだように。
自分の中に取り込んだら一度壊せ。
そこから自分で組み立ててみよ。
正解も間違いもない。
怖がることはなにもない。