![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127200440/rectangle_large_type_2_52e611a715764e67414a625b9b7f2998.jpeg?width=1200)
ロゴスと巻貝|小津夜景
開封の儀。
表紙、帯、カバー、カバーをはずして裏表、眺めて撫でて光にあてて、美しさにほれぼれしたところで、いざ。
スマホを隣において読み始める。
なぜか。
調べものをするためにほかならない。
これまで小津夜景作品すべて、スマホで調べながら読んできた。
けして小難しいということではなく。
むしろ、やわらかく慎ましく綴られているものだから、そのまま通り過ぎても支障はない。
だがしかし私は見過ごせないのだ。
まずタイトルの「ロゴスと巻貝」。
ロゴスの意味はとっくに調べてある。
しかしそれが文章として織り込まれていると、ちょっと迷う。
①の意味か?②の意味か?③か④か?
「なしのつぶて」
知ってる。
知ってるが、ちょっとまてよ。
前回読んだ『なしのたわむれ』で、「梨」と「有り(在り)無し」を行ったり来たりしたものだから、妙にひっかかって語源を調べる。
やっぱり、無しと梨。
もう「なし」は素通りできない体になってしまった。
![](https://assets.st-note.com/img/1704857729859-2HSQVtgcaK.jpg?width=1200)
表紙のカバーのここで心臓を撃ち抜かれたヤバい本
引用書籍にもぐっときてAmazonを開く。
ここ最近ヘッセがよく目に留まるのだが、どうも読める自信がない。
ここにきてまたヘッセだ。
これは……いや、でも……。
「こずえが無言を湛えていること」
湛えている、こらえている?、堪、ちがう、サンズイだとなんだろう、たたえる?、湛える!
静かにおだやかに湖の水面のように抑えたイメージ、かな。
これよ、これこれ、小津夜景本の醍醐味は。
あー楽しい。あー幸せ。
あー仕事行きたくない。
読みながら調べ物をするのは、私基準で良い読書の証し。
と過去感想で書いたのは、完全に小津夜景本のこと。
図書館で読んだら帰ってこれなくなるかも。
あらやだそれ最高。