イワンのばかと杜子春
ある日、満島ひかりさんが『イワンのばか』を紹介していた。
またある日、バイク川崎バイクさんが『杜子春』を紹介していた。
本紹介、大好物です。
『イワンのばか』
悪魔があの手この手で陥れようとするが、イワンは兵も金もいらない。 朝晩コツコツ働いて暮らし、「そうか、よしよし」と悪魔にさえ分け与える。 なにを奪われてもかまわない。また実直に働くだけ。 悪魔お手上げ、という話。
イワンはすごい。これなら世の中戦争なんか起きない。どうしてこうならないのかな。
しかし感想文は難しいと思って保留。
『杜子春』
仙人に大金持ちにしてもらった杜子春は、金が尽きると離れていく人間に愛想を尽かし仙人の弟子になりたいと申し出る。「声を出さない」と約束して地獄で拷問に耐えていたが、父母が痛めつけられ黙っていることはできなかった、という話。
人間らしい、正直な暮らし。
あれ、なんだか、イワンの生き方じゃないか。
元金持ちの息子→貧乏→金持ち→貧乏→金持ち→仙人(未遂)。
杜子春は極端がすぎるし、どれもが自分の手を動かしていない。
かたやイワンはなんやかんやで王さまになっても、変わらず百姓仕事を続けている。
脈絡なく興味をもって選んだ二冊だったのに、真逆な主人公でありながら同じテーマ。
ーー手にたこをつくって働いてみろという示唆でしょうか。
去り際の仙人のイケメンぶりにやられる。
余談。
畜生道にまで堕ちた杜子春の両親。生前の悪行がどれほどのものだったのか興味深い。