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OLYMPUS-PEN FT 父が買ったフィルムカメラ。我が家にカメラがやってきた!

父は昆虫学者であった。

私が幼き頃、よく研究室に遊びに行って顕微鏡をイジらせてもらったものだ。

勝手にその顕微鏡はオリンパス製だったと妄想している。
物心ついた、もうその時には我が家にはオリンパス ペンFTがあったからだ。

オリンパス ペンFT

オリンパス ペンFTの特徴はなんと言っても、ハーフサイズでフィルム枚数が通常より2倍撮れる事だ。

元々、スチル用35mmフィルムは映写用35mmフィルムの2コマ分を1コマとした事を思うと、ハーフサイズのカメラは映写コマで撮影していることになる。

銀色の部分(チタン)がシャッター幕。縦長。

見かけはレンジファインダーカメラとかコンパクトカメラの様な上面がつるんとしたデザインだが、立派な一眼レフカメラだ。

どうしてそんなことが出来るかというとシャッターがハーフサイズの縦長だから、コレまたハーフサイズのミラーを横方向に折りたたむ方式にして、横方向にプリズムを2つ置くポロプリズム式という光路設計にしたからだ。

見えるかな-。
45°のミラーが縦長で横に倒れるようになってる。

普通の一眼レフカメラは45°ミラーは縦方向に折りたたみ、その上部にペンタリズムがあるから、一眼レフカメラは上部に突き出ているんだ。

普通の一眼レフ。三角お山の中にペンタリズムがある。

更に普通はシャッター幕って巻き取るのでそのためのドラムが有るんだけれども、オリンパスペンFTではロータリーシャッターと言って、チタンの円盤がぐるりと回って開け閉めするメカになっている。

更に更にレンズ取り外しロック機構や絞り込み機構をレンズ側に設けることによって、ボディーにはそれらの機構が無くなるので、フランジバックが短く出来たわけ。

指で押してるのが絞り込みボタン。
反対側にあるのがレンズ取り外しロックボタン。
いずれもボディー側じゃなくてレンズ側に付いてる。

オリンパスペンFTに付けるZuikoレンズの性能も良いんだけれど、フランジバックの短さも、高画質に寄与している。

そして、シャッタースピードダイヤルとそれと同軸にフィルム感度設定ダイヤルを前面に配置する事で、カメラ上面にはフィルムカウンター、シャッターボタン、フィルム巻き戻しクランクのみになっている。

シャッタースピードダイヤルとフィルム感度ダイヤル(古いカメラなのでISOじゃなくアメリカ規格のASA)はカメラ前方に配置されている。
上面にあるのはフィルムカウンターとシャッターボタン(四角いやつ)とフィルム巻き戻しクランクだけ。

シャッターボタンもフィルムカウンターも面一にする徹底ぶり。フィルム巻き戻しクランクも埋め込み式。

通常は固定式のストロボシューも取り外し式だ。

ストロボシューが取り外された状態。
ストロボシューを付けた状態。簡単に外れる。
上に抜くだけ。

フィルム巻上げレバーすら後ろにある。

フィルム巻上げレバーは後ろ。

あと、ちゃんとセルフタイマーも付いてる。

セルフタイマーもある。

よく家族写真を撮ったなぁ。

機構が難しいのかシャッタースピードは1/500秒まで。
これは最大の弱点。
そのかわり、シャッタースピード全域でストロボ同調する。

ファインダーも縦長。

ファインダーも縦長〜。
横にあるメーターは露出計。
TTLナンバーというシステムにしてる。

露出計は常時ON。
すぐに電池が無くなる。

オリンパスペンFTの露出計のシステムは変わっていて、シャッタースピードを設定すると、針が適正のTTLナンバーというのを指す。(電池切れなので針が動いてない。。)

レンズ側の絞り環にも同様の数字が刻印されていて、それを合わすんだけれども、TTLナンバー刻印は上側、下側にはf値が刻印されているんだが、TTLナンバーがf値間隔で振られているわけじゃない。

TTLナンバーが刻印されている。
画像ではTTLナンバー「1」だね。
ところがf値を見ると4と5.6の間!

なんだろうね、コレ。
懲りたのかTTLナンバーシステムはその後、姿を消すんだけど、単体露出計を使った時にはレンズの下側を見て合わせなければならない。

レンズのマウントはフィルムペンFシリーズ特有なんだけど、20本くらいあるみたい。

明るいレンズが豊富だけど、何せフィルム面がハーフなので、焦点距離はデジタルカメラのAPS-Cセンサー機のように35mm換算しないと画角の感覚が掴めない。

まあ、他のレンズ着かないし、それを言ったらカメラによって撮影面積が違う中判フィルムだってそうなんだけどね。

今、四つある。

現在、あるのは20mm f3.5、40mm f1.4、42mm f1.2、そしてマクロレンズの38mm f3.5。
それぞれ35mm換算すると28mm、58mm、60mm、55mm。
シリーズ中、一番明るいレンズは42mm f1.2。
ちゃんと押さえてありますね。

マクロレンズは15.6cmまで寄れる!

父がどういう基準でレンズを選んだか、今となっては分からないけれど、マクロの性能は重視していたと思う。

ここまで寄れる!
iPhoneで撮影

父は「昆虫やる人は手先が器用じゃないとね。」

と言って、顕微鏡を覗きながら、虫の解剖したり、虫の構造をペン画、彩色までしていた。

父の著書。この表紙を含めて中の図も全部手描き。彩色も含めて。

手先が器用になるためだと言って、折り紙の名人になんかなっちゃう人でした。

私も凄く影響を受けていて、レンズといえばまずはマクロレンズを探して虫撮ったり。

ライツ レンズ沼でも50cmまで寄れるDR SUMMICRON 1:2/50を見つけた時は即ポチッたし、Fマウントレンズも24cmまで寄れるMakro-Planar T* 2/50mm ZF.2と44cmまで寄れるMakro-Planar T* 2/100mm ZF.2は真っ先に買ったし、NIKKORのマイクロも揃えるかめっちゃ迷ってるし。。。サードパーティ レンズの記事でマクロって書いてあると思わず開いて、「Fマウントじゃねーのかよ。。」って独り言言うし。。。今、一番欲しいカメラはペンタックス6x7だけど、中判なのにマクロ揃えたいと思ってるし。。。

父、佐々治寛之


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