これまでもこれからも、Dev-in-Bizだった - 開発はビジネスの中にある
ここしばらく、ソフトウェアエンジニアを取り巻く雰囲気が変わってきている気がしませんか?
うまく説明する言葉を探していたのですが、「Dev-in-Biz」(開発はビジネスの中にある)という造語を思いつき、これを頼りにここ最近の流れからお話ししてみます。
「エンジニアファースト」や「開発生産性」に対する疑問
最近、エンジニアファーストや開発生産性という言葉に対する疑問が提起されるようになってきた。
Biz/Prdに対する意識を強めるDev
また、エンジニアの活動や開発組織とプロダクト価値やビジネス側の指標を紐付けることなどがDev発で強調されることも、目にすることが増えたように感じる。
BizとDevの間に何が起きていたか
過去数年の間、エンジニアの採用難易度が極度に上がった。プロダクトを作ってビジネスを進めたいのに、エンジニアがいないから作れない。なんとかしてエンジニアを集めたい。そして、集まったエンジニアでできる限りプロダクト開発を進めたい。
そんな状況が続いた。
そんな中で、エンジニアファーストや開発生産性という言葉が注目され、重視されていたように感じる。
一方、エンジニアファーストも開発生産性も、言葉だけを見るとちょっと不思議な言葉で。
セールスファーストとかマーケッターファーストと言わないのに、エンジニアファーストとは言う。
開発生産性にしても、 上記引用で @ryuzee さんがインタビューでおっしゃっているように、単に開発の生産性を上げてもビジネスが必ずしもうまく行くというわけではない。
しかし、エンジニアファーストも開発生産性も、ここしばらく強調されてきた。
DevとBizの関係はどうあるべきか
結局のところ、開発はビジネスの中にある(Dev-In-Biz)ということだと思う。
OSSプロジェクトや個人開発はさておき、
仕事で行う開発は、ビジネスの一部として行っている。
であれば、開発はビジネスの中にあると考えるのが自然だと考える。
これは、今に始まった話ではない。当然、昔からそうだった。
ただ、昨今のエンジニア採用が難しい状況で言いづらかった面はあった。
また、開発工程(Dev)が小さいものではなく、理解するのに必要な知識も多かったので、Devを分離して考えた方が効率が良かった面もある。
しかし、現実には元からDev-In-Bizなわけであり、それを言わずに済ましてきた揺り戻しが今来ているように感じる。
また、ツールや生成AIの進化によって、開発工程がコンパクトになり、開発自体も抽象化され外からもわかりやすくなりつつある。
それらはいずれも、ビジネスとの関わりをより求められることを促進している。
(最近、PdMが注目されているのは、そのような背景が多分にあると考える)
Dev-in-Bizはエンジニアのキャリア戦略の王道
「情熱プログラマー」は、ソフトウェア開発者のキャリアについて書かれた古典のような本で、2009年に原著が出版され、2010年に和訳が出版されている。
この本では、上記の記述の他にも、各所でエンジニアはビジネスの中に居て、エンジニアにとってビジネスを理解することは重要である、ということが繰り返し強調されている。
具体的なアドバイスとして、MBA志願者向けの本を読むべきだとすら、書かれている。
15年前も、エンジニアはビジネスの中に居た。今もエンジニアはビジネスの中に居る。
まとめ
エンジニアが日々の業務でビジネスを意識しないことはできる。
しかし、開発は確かにビジネスの一要素であり、つまり構造として、開発はビジネスの中にある(Dev-in-Biz)。
エンジニアの貢献はビジネスの成果である。
新年度、やってみませんか?
エンジニアの方々は、新年度、少し周りを見渡して、ビジネス側にもちょっと興味を持ってみるのはどうでしょう。おもしろいことが起きるかも、と思います。