愛知県名古屋市の郵便局が、「フードドライブ」。白血病と闘う郵便局長が賭ける想いとは?
こんにちは、翼祈(たすき)です。
「フードドライブ」という、社会福祉をご存知ですか?
まだ食べられるものに廃棄の対象になっている食べ物や、家庭で眠っている食べ物を回収して、生活に困っている人に無償で提供しています。
物価高などの影響で寄せられる食べ物が少なくなる中、愛知県名古屋市にある郵便局が、「フードドライブ」の支援に乗り出しました。
その「フードドライブ」を始める原動力となったのは、白血病と闘う郵便局長の想いからでした。
今回は愛知県名古屋市の郵便局での、「フードドライブ」をご紹介します。
愛知県名古屋市の郵便局が、「フードドライブ」を始めたきっかけ
即席ラーメンや干し椎茸、スパゲティにペットボトルのお茶…。2023年11月16日、愛知県名古屋市北区にある認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」の事務所に段ボール8箱分の食べ物が届けられました。「予想以上に食べ物の数が多くて感動しました」。認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」理事の男性Aさんは目を細めて話しました。
認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」では、2009年から賞味期限まで1ヵ月以上あって、常温で保管できる飲み物や食べ物を個人や食品メーカーから寄付して頂き、生活に困っている家庭や福祉団体、子ども食堂などに配布する活動を続けています。2022年は1年間で500トンの食べ物を困っている人たちに届けられました。
ですが、2023年に入ってからは、食品メーカーがフードロス対策を進めたり、個人でも物価高の影響で、寄せられる食べ物が2022年の同時期より3割帝少なくなったといいます。
「これから、さらに少なくなるかもしれない。みんなが利用する郵便局にフードポストを置いて食べ物を回収すれば、多くの人へ、食べ物を提供できます」。郵便局員だった男性Aさんはそう考え、2023年8月、認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」の近くにある名古屋北郵便局の男性Bさんに相談を寄せました。
参考:白血病と闘う郵便局長、「フードポスト」支援開始 寄付26キロに 毎日新聞(2023年)
「あなたは血液の病気です」。2022年6月、男性Bさんは、人間ドックで白血病に罹患していることを突然知らされました。治らず、この時発見できていなければ余命3ヵ月だったとも医師から告げられました。「嘘だ」。そんなことは、信じたくありませんでした。
ですが、「生きていたら、なるようにしかなりません。一日一日を大事に生きよう」と思い直し、抗がん剤の投与を受け、入退院を繰り返しながら仕事をしてきました。そんな中で認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」の理事の男性Aさんから、「フードドライブ」の話を聞いて「人生は、あと何年あるか分からない。少しでも社会や地域に社会貢献したい」と、「フードドライブ」の協力を快諾しました。
後日談
沖縄県や鳥取県などでは、郵便局の中にフードポストを置いて、利用する人たちから食べ物の寄付を受け付けています。ですが、愛知県では前例がほとんどなかったことで、最初に試験的に名古屋北郵便局の局員から食べ物を集めることにしました。
北郵便局にはおよそ280人が働いています。2023年11月6~11月13日、通用口など4ヵ所にフードポストを置集める、ポスターや朝礼などで「フードドライブ」を呼びかけると、日を追うごとに寄付が多くなり、26.5kgの食べ物を回収できました。
食べ物を受け取った人たちの声はまだ届いていませんが、男性Bさんは「少しは社会や地域に貢献できたと思います。単発で終わらせず、これからも定期的に『フードドライブ』をやっていきたいです」と語ります。
認定NPO法人「セカンドハーベスト名古屋」の理事の男性Aさんは「北郵便局の活動が最初の一歩となり、郵便局がフードポストを置き、利用者から食べ物を回収する仕組みが浸透してくれたら」と期待を込めています。
「フードドライブ」に関しては、会社のサイトで、ファミリーマートのものを紹介したことがあります。
郵便局という地域密着型だからこそ、集まる支援がある。様々な層が利用する郵便局だからこそ、他の「フードドライブ」にはない強みがあるのではないかと思いました。