空飛ぶ車いす。アジアで車いすを自費購入が出来ない人へ、日本で整備・再生するボランティア。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
日本では「車いす」が、老人ホーム等から毎年5万台以上産業廃棄物として捨てられています。その反面、アジアなどでは一般的に「自費購入」となり、高額な車いすが購入出来ない人達が沢山います。そんな困っている人達に『空飛ぶ車いす』としてプレゼントします。
「モノづくり」を日々学習する工業高校生達は、まだ機能的には動く「車いす」が簡単に廃棄されるのは「惜しいことです」と口を揃えます。そしてこの『空飛ぶ車いす』ボランティアに協力し、学校で学んだ知識を活かして、得意な工業技術で「車いす」を再生し、誰かに役立てたらーと思っています。
飛行機を使う旅行者などからなる手渡しリレーで、アジアなどで「車いす」が再び活躍出来る環境になることで、工業高校生達は「モノの大切にする気持ち」と「奉仕することの精神」を取り込み、「国際感覚」、「達成感」などを実感出来る様になります。
今回はアジアなどに送る、『空飛ぶ車いす』について、発信していきます。
『空飛ぶ車いす』とは?
兵庫県の相生産業高校の『空飛ぶ車いす』の取り組み
兵庫県相生市千尋町にある相生産業高校の機械科に通う生徒たちが、使用されなくなった車いすを修理し、アジア各国へと寄付するボランティア活動に励んでいます。一度車いすを分解し、洗ったりタイヤを新しくすることで、2022年11月までに10台の車いすが生まれ変わりました。2022年末までに追加で、5台を完成させたいと思っています。
東京都にある日本社会福祉弘済会が日本各地の工業高校と協力を求める『空飛ぶ車いす』ボランティアの取り組みです。毎年数万台の車いすが捨てられる日本から、貧しくて車いすを買えない人が多い地域へプレゼントしようと1990年代後半にスタートました。
同相生産業高校は2007年から毎年ボランティアに参加し、今までに200台以上をタイやバングラデシュ、スリランカなどに車いすをプレゼントして来ました。2022年も4月から3年生からなる10人が週1回の授業の一環で、2人1組で車いすの修理などの作業を重ねました。
修理では、車いすをまずは200以上の部品へと分解していきます。高圧洗浄機に入れて車体のサビを落とし、布やブラシで丁寧に磨いていきます。ブレーキがちゃんと利くかなども調整をし、最後はカラースプレーで新品みたいにピカピカに塗装しました。
参考:車いすを修理、アジア各国に寄付 相生産業高生が分解、洗浄…「長く使って」 神戸新聞NEXT(2022年)
1台目の車いすでタイヤを左右逆に付けてしまい、取り外しに苦労したという女子学生は、現在3台目を修理しています。部品の材質や汚れ具合に見抜き、研磨剤を使い分けられる程大きく成長し、「ずっと車いすが壊れないように、きちんと直して長く使って欲しいです」と笑顔で言いました。
ANAが『空飛ぶ車いす』プロジェクトに協賛
廃棄に回されてしまう車いすを修理し、アジアなどの人達にプレゼントする『空飛ぶ車いす』というボランティア活動に、ANAグループが賛同し、これから、車いすの空輸で運ぶ時の協力や現地に到着した時にボランティアを探すことなどを取り組みます。
『空飛ぶ車いす』は、航空機で運んだその車いすを旅行者などがアジア各地で、車いすが欲しい人達に向けてプレゼントすることからその名称が付き、公益財団法人「日本社会福祉弘済会」などがメーンとなって、トータル20年余り渡り活動しています。
その反面コロナ禍の影響で車いすを海外へ運ぶ旅行者などが減少し、多い時は年間450台程度海外に旅行者から運ばれていた車いすですが、2020年は3台、そして2021年には0台までになりました。
『空飛ぶ車いす』ボランティア活動に感動したANAの客室乗務員が、少しでも沢山の車いすを海外に送り届けたいと、ANAグループは賛同していくことになりました。
具体例を挙げれば、ANAグループの自社の航空機を使用して海外へ空輸が可能な新たなシステムを考案したり、ANAグループ海外支店のネットワークをフル活用し車いすが欲しい人達や、その人達が住む場所まで車いすを届けるボランティアを募集しようと検討中です。そして、実際に『空飛ぶ車いす』ボランティア活動で車いすを修理する工業高校生たちを励まし、客室乗務員が学校を表敬訪問したいなども検討段階です。
参考:「空飛ぶ車いす」ボランティア ANAが協力へ(2022年)
凄く素敵な発想
1999年から始まった、『空飛ぶ車いす』ボランティアはこれまでに、アジア、南米、アフリカなど31ヵ国に車いすがプレゼントされました。
車いすにはそんなに詳しくないのですが、昔と違って、今はノーパンクタイヤタイプの車いすもあったりと、色々すぐ故障しないためのシステムが備わっていて、従来より1台が壊れにくい車いすが主流なのではないか?と思います。
車いすが後には産業廃棄物行きというのも悲しいですし、もしそれが整備したら再利用出来るならそれに越したことはないですし、その再利用出来るまで整備された車いすがアジアで活躍する、車いす冥利というか、社会貢献も高いと思います。
自宅には車いすはないですけど、もっと病院とか車いすの多いところが、処分に悩んでいるのであれば、この『空飛ぶ車いす』ボランティアに賛同し、もっと協力出来る企業などが増えてくれればいいなと、思いました。