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「夏物語」川上未映子

久しぶりに読書記録をしようと思う。
この本は、友人が引っ越しの際に譲ってくれた本の山に混じっていたものだ。

いつから読み始めたか、2ヶ月前くらいか。よく覚えていない。

この本は内容、表現がリアルだからこそ途中何度も「うあああ」となって、もう読むのをやめようかどうしようか迷いながらもちまちま読んでいた。
そして結局やっと読み終わることができた。

人間が生まれること、生きること、死ぬこと、色々考えさせられる本だった。感じたことは沢山あるのだけど、上手に感想が出てこない。

主人公の「自分の子供に会ってみたい」という気持ちから、色んな方向に話が展開されていく中で、切なさ温かさ苦しさもどかしさ不思議さ、そういう人生の感覚が鮮明に表されていた。と感じた。

子供が欲しくて産み育てる人、子供が欲しくても何らかの理由で授かることができない人、授かるために努力をする人、授かったけど産むことができなかった人、子供が欲しくないけど子供を宿した人、子供が欲しくなくて子供を作っていない人。死にたい人、生きたい人。世の中には色んな人がいると思う。

そんな風に、「色んな人がいる」でまとめるのは良くないかもしれないけど、この本は、生について、死について一瞬でも思考を巡らせたことのある誰にでも読んで欲しいなと思った。もちろん性別やジェンダーを問わずに。

私自身は小さい頃から人間や人間の赤ちゃんに対して恐怖心があるが、読んでよかったと思う。別に、その恐怖心が消えたということは今のところないけれど、何か重要な感覚を得た気がした。

私は、生まれたのだから、その時々の私で生きていくだけだなと思う。

自分がどう変わっていくかは分からないし、人生は何があるか分からない。

やりたいことを色々やって、できる限り楽しんで自分の命を全うしたい。

純粋にそう思えたのは、この本を読んだおかげでもあり、単純に最近の自分の心持ちが影響しているだけかもしれない。

そして、川上未映子さんの文章には「うおおおすげええ」と感じる表現が沢山あり、純粋に自分の創作のための学びになった。

これまで最後まで読んだ本、最後まで読めなくても手に取って少しでも読んだ本は様々あるが、出会う本全てに何か縁があるんだと私は思ってる。

これからも、色んな本、物語、考え方、そして色んな表現に触れていきたいな。

おわり!

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