11月も、特に変わらず、ぼんやりした苦痛
月の終わりを、いつもとは違う場所で迎えて。
月の始まりも、いつもとは違う場所で迎えている。
尾道にいます。
年に1回は尾道に行くので、年に1回はそんな月がある。
それはさておき。
昨日……。
昨日、なにをしたのか、すぐに思い出せなかった。
ぼくも、だいぶぼんやりしている。
一昨日、夜ふかししたのは覚えている。
深夜にオープンする古本屋に行ったから。
どうしても行きたくて、あくびを何度もしながら、書棚の前を往復した。
途中で日付が変わった(ラジオがかかっているから、わかった)ので、まあ、昨日の話だ。
ここに来るのは、たしか、3回目か4回目。
ぼくは、年始にも来たけど、そのときも、そして昨日も、店長はぼくのことを覚えてくれていた。
(たぶん、前々回に店長の著書を持って行って、サインをもらった上に、至るところに付箋が貼ってある頁を見られたからだと思う。あと、いっぱい買ってるし。)
ぼく(とパートナー)との会話も、ほんの少しだけど、打ち解けた感じがあって、嬉しかった。
その夜、ぼくはぐっすり眠った。ホテルで眠れるのは、なかなかないことだ。
それで、目が覚めたあとは、遅めの朝食を摂って、散策することにした。
ふらふら歩いていると、公園の松を選定しているおじさんと目が合った。
すると、最近(が、いつごろなのか、わからないけど)完成したらしい展望台を教えてくれた。
ぼくらが会った付近には、すでに有名な展望台があったけど、だからこそ穴場らしかった。
たしかに、大きな方と違って、誰もいなかったけど。また違った見晴らしを、一望することができた。偶然が楽しい。
パートナーが好きそうなところにも、大体連れて行けたので、満足だ。
昼ごはんもおいしかったけど、ぼくがぼんやりしていたせいで(というか、会話に齟齬があったのか)まとめて払うつもりが、1人分の料金しか提示されていなかったことに気付かなかった。
ので、当然帰りがけに呼び止められて、申し訳なかった。
それを傍らに置くとしても、ごはんも店構えも好きだけど、どうしても店長が苦手だ、と思うなどした。
べつに、失礼な対応はされていない。笑みをたたえてもいる。ただ、言葉数が少なくて、語気が強い物言いが、むかしから苦手なだけ。責められているみたいで。もちろん、本人にそんな気はないだろうけど。
よくない……。ぼくはぼくで、喋り方をさんざんバカにされてきたのだから、他人の喋り方に苦手意識を持つのはよくない。
(そのときの、うまく表せなかった苦痛を、時間を置いたことで、今ここで言語化できた気がする。おかげで、少し楽になった。)
……。
まあ、ともかく、旅行は続く。
今日も今日とて、本屋を巡ってきます。