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「自分のものなのに、自分のものじゃない。」

「本を読んだり、考えごとをしたり、そういうことが、うまくいかなくなって」

「減薬しましょうか」


減薬することになった。


(該当の薬が丸々なくなるのではなく、1mgだったのが0.5mgになった。)


いつも、減薬を言い出すのは、ぼくからだから、そういうこともあるのか、と思った。


なにかしら悪化すると、増薬されるのが常だから。


まあ、いいか。なるべく減薬していきたいとは、ずっと言っているから。


昨日も、一日のほとんどは、ぐったりしていた。


午前に受診して、午後になると、こんこんと眠った。


目が覚めると、3時間は経っていた。


ずいぶん眠ったはずなのに、ぼくの手は、ずいぶん震えていた。


眠ると、治まることの方が多いのだけど。


調子が戻りつつあった、と思ったけど、そうでもないらしい。


診察中に、知人に指摘されるくらい痩せた(らしい)と言うと、体重の増減について訊かれた。そういえば、しばらく計っていない。


もともと、過食傾向にあったから、自分の身長にしては、ずいぶん体重があった。から、計るのがずっと怖かった。


でも、昨日は、なんとなく計る気になった。最近、姿見を前にしたとき、新しい服を買ったとき、たしかに痩せたような気がしたから。


最後に計ったのがいつだったか、まったく思い出せないけど、記憶の中にある体重より、5kgは減っていた。


服を着込んでいたから、あと1、2kgは減るのかもしれない。いずれにせよ、目を疑った。


たぶん、1年かけて痩せたんじゃない、と思う。あまり食べなくなったのは(過食が減りつつあるのは)ここ数ヶ月だと思うから。


(もしくは、3ヶ月前にコロナに罹ったことが、まだ影響しているのか。)


肥満に偏っていたから、一応喜ばしいことではあるんだろう。ただ、知人が指摘してくる、ということは、健康的な痩せ方じゃないことは、違いなかった。ぼくもそう思う。


ぼくは。


自分の頭も体も怖い。


自分のものなのに、自分のものじゃない。


これは、何だろう。


食欲は、ある方だと思う。まったく食べないわけじゃない。でも、食べる量は、以前に比べて減っただろうか。記録がないから、わからない。


わからない、何も。


明日は、人前でコーヒーを淹れるのに。


一応、準備はできているとはいえ。


不安が募る。


それでも、人前で不安を見せるわけにはいかない。


手の震えだけでも、気付かれないように祈っておく。

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相地
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