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「息がしやすくなるくらい、赦されてもいいんじゃないか。」
急な切り換えには苦しさがつきまとい、ほとんどの人にとってはすぐに対応できるのが当たりまえでも、ぼくにとっては血の凍る思いだった。
『自閉症のぼくは書くことで息をする』を読み始めて、1年は経っただろうか。
いや、2年だろうか。さすがに、そこまでは経っていないか。
読み進めるときは、ものすごく読み進めて、読まないときは、何ヶ月も読まない。
(それは、どの本にも言えることだけど。)
そもそも、ここ2ヶ月くらいは、言語学とか心理学とか、そんな本を読んで、小説やエッセイは、ほとんど読んでいなかった。
『自閉症のぼくは書くことで息をする』は、最後の章まで来ていて、きっと、あと1時間もあれば、読み終えるだろう。
忘れていたな、と思った。
この本を読むことでもらえる安心感があることを。
ぼくとまったく同じ人はいないけど、同じ苦しみを抱えている人はいるんだと。
なにも解決していないけど、少しだけ息がしやすくなる。
ありがとう、と思った。
そして、そんな本が書きたいことも、思い出した。
どうして今、こんなに勉強したり、調べものしているんだっけ。その理由も、たぶん、そこから来ている。
ぼく自身を救うこと。
ぼくに似ただれかの呼吸を、少しでも楽にすること。
ずっと具合がよくないのも、あったけど。
(昨日も、数日ぶりに顔を合わせた知人に「げっそりしてる」と言われてしまった。)
忘れてたなあ、と思った。
自分が、楽になることはない。
ずっと、そう思っているけど。
楽になりたい、とは、思っていいんじゃないか。
息がしやすくなるくらい、赦されてもいいんじゃないか。
贅沢かな。
贅沢でも、いいんじゃないか。
こんな風に思えるのが、今だけでも。
明日には、忘れてしまっても。
また、思い出せばいい。
今、また思い出せたんだから。
今朝も、手足に力は入らないし。
体は熱いし。
瞼はひどく震えている。
(幸い、頭痛はない。)
体調が安定するまで、まだかかるかもしれない。
でも。
とろくさいなりに、進んでいくしかない。
とろくさくなくなることは、決してないんだから。
もう一度、瞼を閉じる。
閉じているはずなのに、目の前の景色がちらつく。
……もう少しだけ、眠ろうかな。
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