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「みんな生きてる、と、淡々と思う。」

ライブハウスに行った。


もちろん、ライブを見るために。


直前まで、どうしようか、と思っていた。


まぶたが震えたりとか、座っていると気が遠くなるとか、色んなことが、ずっとあるから。


SNSで、興味のある人を探したりもしたけど。


見つからないし、少し休んだら、行けそうな気もした。


ぼんやりしたまま、会場入りした。


知らない人と知らない人に囲まれて、前後左右どこを向いても、余裕はそんなになくて、ぼくにとっていい環境とは言えない。


それは、何ヶ月か前に、同じライブハウスに行ったときも、感じたこと。


それでも、ぼくは来た。


ライブが始まって、知っている曲も、知らない曲もあって。


ぼくは、どうしても、ときどきはぼんやりしてしまった。


体全体でリズムを取っているおかげなのか、なんやかんや、倒れそうな予兆もないまま、最後までその場にいることができた。


来て、よかったと思う。


ライブがよかったのも、あるけど。


みんな、生きてるんだな。


そう思った。


本当に、大げさじゃなく、老若男女がいて。


顔は見えないし、知り合いじゃないし、もう会うこともないだろう人たちだけど。


今だけは、同じ方を見て、同じものを見て、高揚している。


そのことに、実感が、体に少しずつ染み込んでいくようだった。


みんな、生きてる。


最近のぼくは、輪をかけて具合が悪いし、人と会って嫌なこともあったし、色んなことが、よくわからなくなっていた。


でも、生きてる。


そう、淡々と思った。


たぶんまだ、しばらくは元気にならないだろうけど。


(ぼくは、いつ回復するんだろう。)


生きてる、と思ったことは、しばらく体に残ってくれるだろう、と思った。

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