ちょっと高級なビュッフェのチョコレートケーキみたいに濃厚な、恋の話。
「好きな本のジャンルは?」と聞かれたら、
「恋愛小説とか、ミステリーとかが比較的多いかな、あとはスピリチュアル系とか、もごもご…」
って答える程度には、恋愛小説が好きだ。
ただ、恋愛小説って元気な時じゃないと読めない。
上手く消化できないのだ。
そして、「これはすごい!」って感じる作品を読んだ時ほど、続けて読めない。
ちょっと高級で、濃厚なチョコレートケーキを毎日おやつに食べていいよ!
と言われても、そんなに食べられないのと似ている。
(わたしはHARBSのケーキが大好きで、身体のことを気にしなければ一日2個続けていけるが、さすがに毎日だと好きを通り越すと思う)
そんな、濃厚な恋のお話↓
『2020年の恋人たち』
島本さんの恋愛小説、何十冊も読んだわけじゃないけれど。
どれも美しくて濃厚で、自分の中にあった、かさぶたが開いていくような感覚がして(苦笑)とても好き。
くどいようだけど、元気な時じゃないと読めない。
でも、読み終わったらじっくり噛み締めたくて、2度読みしちゃう。
今回の『2020年の恋人たち』の舞台は東京。
突然事故死した、ワインバーを経営する母が千駄ヶ谷にリニューアルオープンすることになった店を引き継ぐことになった主人公の葵。
バーの経営など右も左も分からないケイエイ初心者の葵。
「一緒に2020年の東京を、このお店で一緒に作りましょう」
という店長募集の貼り紙を見て来てくれた松尾くんはじめ、彼女の元には次から次へと(それはもう、羨ましいを通り越して、胃もたれ起こしちゃいそうなくらい!)いろんなタイプの男性があらわれる。
物語序盤で多くを語らず去ってしまった、元彼の港。
ずっと訳ありっぽくそばにいてくれた、年の離れた幸村さん(訳は終盤で明らかに)
仕事ができて、いろんなことも知っている、スマートな瀬名さん(ただし既婚者)
初対面から助けられた、とにかく真っ直ぐな職人、海伊さん(個人的に苦手なタイプだ)
この、全く違うタイプの男性陣と、数カ月間(たぶん)の間に出逢っては去ってゆく。
(最後に、残った縁もあるが)
個人的には瀬名さんにいちばん惹かれるのだが、この辺は皆さん(当たり前だけど)好みが別れるんだろう。
どの男性がいちばん好みか(あるいは全員クソというか)読んだ人とぜひ、ワイワイ話してみたい。
そして、小説や実体験から感じるのが。
人間性って、去り際に出るんじゃないだろうか。
ってこと。
わたしも、たくさんの男性の背中を見送ってきたが、
いろんな後味を味わわせていただきましたよ(笑)
さて、皆さんはどの男性の背中がお好みでしょう?!
恋愛小説って、人間の泥臭さというか狡さ、滑稽さ、そして愛おしさと、
いろんな面が一度にみられるところが、
たぶん好きなんだと思う。