『プロだけが知っている小説の書き方』を読んで
『小説の書き方』について、Kindle出版をしよう!
と思い立って、まずは市場調査。
というわけで、ランキング1位の本
『プロだけが知っている小説の書き方』を読んでみました~。
プロ作家、森沢明夫さんの詳しい小説の書き方指南書です。
描写の仕方や物語の作り方など、まさにその通りと思うところが多く
すごく参考になる良書でした。
ちょっと驚いたのは、森沢さんはプロットを原稿用紙100枚ほど
書くらしく、それはさすがに多すぎだろ、とちょっと思いました。
原稿用紙100枚だともう少しで小説になってしまうので、
こんなプロットを出された日にゃ読むのも大変だし、
没にするわけにはいかないので、編集者に提出するプロットではなく、
小説家のためのプロット……といった感じかなぁと思いました。
あと、やはりこの方はけっこう職人気質というか、
マニアックにこだわる方なのですね。
プロの作家さんて、こだわりがすごい方と、まったくこだわりのない方がいて、両極端だったりするのですが、こだわりのある方だからこそ、
こういった本が書けたのかなと思ったりしました。
特に「描写の仕方」「文章の書き方」については、
ぜひ一読してほしい、実践的なことが書かれていました。
森沢式W理論はとても面白く、売れている作品を分析すると、
大体はこの構造になっていたりしますね。
森沢さんなので、もちろん一般文芸の小説の書き方に
あまねく応用できるのだけど、
ライトノベルやBL、TLに関して言えば、ジャンルごとのセオリーや
書き方があるので、ちょっと違う部分もあるかも……と思いました。
例えば主人公の共感性が文芸作品より重要性がかなり高いということや、「萌え」がないとまず成り立たないというところとか……、
まぁ、ジャンルが違うと、いろいろと違う部分も出てきますよね。
あとはW理論も、最近のラノベの傾向的には、主人公を不幸にしすぎると、
読者に忍耐を強いることになり、あんまり受けなかったり、
ということもあるかな、と。
当たり前ですが、構想をどうやって練るかや、どのように描写をするかなどの技術的な部分は詳細に書かれていて、
小説家の教える小説の書き方になっています。
私の場合は編集者なので、小説家側からの視点ではなく、
編集者側からの視点、つまりどちらかと言うと、読者側の視点からで、
書き方や見せ方といったものを解説できるのではないかと思いました。
編集者側の視点だと、各小説家によって、個性や魅力などが違ってくるので、その人に合った書き方、長所を伸ばす作品、魅力がより伝わる作品を作れるようになるといいんじゃないかなと思ったりしました。
それについては触れていなかったので、そういうことについて書いてみてもいいかもしれない……なーんて思ったり。
あとは、今回は「小説をより面白く、上達させる方法」について
書くので、基本的な書き方というよりは、「どうすれば上達できるか」、
ということに主眼を置いた本になると思います。
投稿作を見ていて思うことがひしひしとあるので、
より現場的な話ができるんじゃないかなぁと思います。
そんなわけで、『プロだけが知っている小説の書き方』は大変良書で
参考になるのだけど、また別の視点で書けることがたくさんあるな、
編集者だからこそ書ける部分、ラノベというジャンルに特化したからこそ
書ける部分もたくさんあるなぁ……と思った次第でした。
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