足元にあるもの
上を向いて歩けなかった夕べ
君のことだけでいっぱいだった
泣かないように
涙がこぼれないように
上を見るのが定石だった
でも、
あなたが自分を作ってくれたように
いやだって言っても
作り切ったのとまったく同じように
忘れさせてくれない
下を向いて
泣きじゃくって
通行人に奇異がられ
倒れこむように帰宅
別途にほのかな香水のにおい
酔いを覚ますように外に出たところまでの記憶
いつもの道をと売ってしまっていたことに気づいて
急にむなしくなる
こんなにも、
一つ忘れられないといったら
下を向いてたら
みんなが忙しく前を向いていたから
見落とした幸せが
落っこちてましたって
笑っていた
君のその横顔だけは
凛とした事実だと思。
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