【応援ブランディングvol.9】応援されるブランドは経営者が燃えないとつくれない
ブランドという言葉は、古い北欧の言葉で焼き印を意味する「Brandr(ブランドル)」が語源とされています。
もともとは放牧していた牛などの家畜に焼き印を押し、「この牛は自分のもの」という所有権を表わしていました。
その後、「私が育てました」という生産者の識別になり、いまでは「肉質が違います」という競合との差別化を表わす意味合いを持っています。
しかし、私は応援されるブランドという文脈においては、もうひとつの語源である「burn」(燃える)が相応しいと考えています。
なぜなら、応援されるブランドは経営者の心が燃えないとつくれないからです。
応援されるブランドになるまでには年単位の時間がかかります。
しかもブランディングにはゴールがなく、事業が続く限り継続して取り組んでいかなくてはなりません。
そのためには、まず経営者が覚悟を決めること。
すなわち経営者自身の心を燃やさなくてはいけないのです。経営者が燃えると、その炎は従業員たちの心に火をつけ、自然とお客様にまで燃え広がっていきます。
そして燃える炎のイメージは、クールさと熱さが混在する〝青い炎〟です。
炎は温度の高さによって色が変化します。赤色がもっとも低く約1500度、黄色は約3500度、白は約6500度、そして青い炎は約10000度と変化していくのです。
なぜ、青い炎なのかというと、応援されるブランドを牽引する経営者には、時に相反する二面性が求められるからです。
・熱量が高く、冷静さもある
・ロマンチストであり、リアリストでもある
・楽観的であり、悲観的でもある
大きくは論語とソロバンをバランスよく舵取りすることです。
江戸時代後期の農政家・二宮尊徳翁(二宮金次郎)は、相反する二面性のバランスを取る大切さを次のような言葉で表現しています。
〝道徳なき経済は犯罪であり、経済なき道徳は寝言である〟
道徳だけでビジネスを継続することは困難ですし、逆に道徳がなくお金儲けだけを突き詰めると空虚なビジネスになり下がります。
応援されるブランドは、社会に対してのサステナビリティ(持続可能性)だけでなく、自社ブランドのサステナビリティ(しっかりと利益を出して事業を持続させる)という両翼で、ビジネスという大海原を飛び続けなくてはいけないのです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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※マガジン内の記事は、拙著【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】から引用しています。豊富な事例も掲載しているので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
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