応援ブランディング@エイドデザイン渡部直樹
このマガジンは「愛され続ける会社から学ぶ “応援ブランディング”(同文舘出版・2024/2/17)」の中でご紹介している応援されるブランドのインタビュー記事を一部掲載したものです。 無料メルマガにご登録いただくとインタビュー記事全文をご覧いただけます。
“応援ブランディング”とは、 応援者を意図的に生み出す仕組みづくりのこと。 小さな会社は周りから応援されることで、一過性ではなく、持続可能なブランドに生まれ変わります。 このマガジンは 「まわりから愛され、応援されるようなブランドをつくりたい」 「小さくても自分が思い描いている理想のブランドをつくりたい」 「自分たちの価値を認めてくれるお客様と向き合っていきたい」 そんな中小企業や小規模事業の経営者に向けたものです。 「愛され続ける会社から学ぶ “応援ブランディング”(同文舘出版・2024/2/17)」の内容を、著者が分かりやすくコンパクトにお届けします。
東京・日本橋から、フランス料理で日本らしさを世界に発信するミシュラン一つ星のフレンチレストラン“ラペ(La Paix)”。 La Paixとはフランス語で「平和」という意味。心をこめたサービスで、フレンチの楽しさを伝え、穏やかな心をもって、人と人との温かなつながりを大切にされているオーナーシェフの松本一平氏。 同氏は、桃農家の課題を解決するコース料理の考案、水産資源の持続性を改善する活動、またコロナ禍では生産者を巻き込んだ配送コースの販売、新店舗を起ち上げる際にクラウドフ
東京・日本橋で、オリジナルブランドによる可愛い赤ちゃん顔の雛人形、五月人形、ブライダル人形の企画から制作、販売までを手がける人形工房“ふらここ”。 代表取締役の原 英洋さんは、人形師一家の長男として生まれながらも作家の道を目指され、一旦は出版社に入社。父の急逝にともない生家へ戻り、顧客のニーズに耳を澄ませながら家業をさらに盛り立てられます。 しかし、お客様や時代のニーズに応えるがゆえに、それを迎合と捉える職人たちと意見が分かれ、その伝統の呪縛から自由になるため、45歳の時
靴下の町・奈良県広陵町で、曾祖父の時代から続く工場を温故知新の考え方で再構築させ、「日本一ワクワクするソックスファクトリー」を目指すSOUKI(創喜)代表の出張 耕平さん。 アナログの靴下編み機と自転車を融合させて作った“チャリックス”というブランド体験を軸に、全国の催事やイベントに出掛け、自社ブランドを広めた後、靴下をもっともっと楽しんでもらいたいという思いから、“であう” “まなぶ” “あそぶ” という3つの体験ができる「くつ下たのしむ実験室S.Labo(エスラボ)」を
創業時から“家族の笑顔のきっかけづくり”という理念を掲げ、埼玉県北浦和を拠点にレディースファッションのセレクトショップを多店舗展開している、COSUCOJI(コスコジ)代表の小杉光司さん。 理念を額に入れて掲げているだけの企業が多いなか、それを経営の中心に据え、細かな顧客データを収集し、想いをカタチにするCOSUCOJI独自の応援される仕組みを構築。 コロナ過ではスタッフの安全を一番に考え、緊急事態宣言期間中の休業を決断するだけでなく、その間の給与を100%保障。 さら
▼ブランディングの仕事をしていると、次のような質問をよくされます。 『なんだかんだ言っても、ブランド化って難しいんでしょ?』 この質問への答えはいつも一択。 『難しくもあり、簡単でもある』です。 事実、自己流でブランド化に取り組んでもブランドは中々できません。 そのような方からするとブランド化は難しいと思われているでしょう。 少なくとも、先のような質問をされる方はそう感じていると思います。 では、『簡単でもある』というのはどういう意味なのでしょうか? せっかくな
鳥取県賀露港で漁師直送の鮮魚通販をスタートさせ、いち早く漁業の6次化に着手した株式会社弁慶丸の河西信明氏。 産地と消費地で二重のセリを経るという漁業特有の複雑な流通システムにメスを入れ、 「日本海で水揚げされた天然魚のみ取り扱い」 「魚を捌かずに丸のままお届け」 「翌日に届かない地域には送らない」 というこだわりの“鮮魚通販・弁慶丸とれたて直送便”を15年間で7万セット以上販売。 さらに新規注文の限定セットは常に完売状態という人気振りです。 楽天などのモールに依存せ
▼ブランド戦略を立てた際、これをやらないと成果につながりにくいという必須の作業があります。 それは目標設定。 そのブランド戦略を通してどのような成果を達成したいのかを目標として掲げ、それを達成すべく、投下するリソースを準備していくのです。 目標を設定しておかないと施策は場当たり的なものとなり、ブランディングが継続できません。 富士山に登るのであれば富士山に登るための準備が必要ですし、K2に登るのであればK2に登るための準備が必要となります。 気が付いたら、いつの間に
広島と岡山の県境にある人口わずか7000人の小さな町に佇むウィー東城店。 代官山蔦屋書店よりも早く書店の複合化に成功され、その動向は全国の出版業界のみならず他業種からも注目されているお店です。 一見よくある郊外型の書店に見えるウィー東城店には、美容室やエステコーナー、パン屋さんやコインランドリーが併設され、店内では唐辛子やかつお節、海苔やお酢といった食料品も並べられています。 2022年末、社長の佐藤友則氏が執筆された“本屋で待つ(夏葉社)”が出版され、改めて全国から注
滋賀県彦根市という地方都市にありながら、算数オリンピックで毎年メダリストを輩出するりんご塾。 「難しいことを易しく、易しいことを深く、深いことを面白く」を教育信条に、オリジナル教材にこだわり、算数オリンピックに特化したりんご塾ブランドはいまや全国に知れ渡り、フランチャイズ塾として東京、大阪などを中心に全国50教室以上の広がりを見せています。 また、塾長の田邉氏は2022年4月、りんご塾のオリジナル教材をベースにした著書「天才!!ヒマつぶしドリル」を学研から出版。 年間1
尾﨑産業の歴史は1908年(明治41年)、初代・尾﨑義雄氏が和歌山県海南市野上中において尾﨑義雄商店を創立した年まで遡ります。 その後、二代目となる尾﨑卓也氏が1949年(昭和24年)に株式会社として法人に改組。現会長の尾﨑卓司氏が三代目としてバトンを引き継ぎ、四代目社長の尾﨑昌司氏へと続きます。 事業内容はプロ用雨合羽やブラシ材の製造販売、日用雑貨の加工販売、タワシ・ほうき等の輸入業です。 プロ用雨合羽に関しては、自社ブランド・自社縫製・自社販売を貫き、徹底した品質管
▼あなたの会社では、CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)、どちらを重視されていますか? いずれも重要な指標ですが、『ESなくしてCSなし』という言葉どおり、社内で働く従業員の満足度が高くないとお客様の満足度は上がらないと思います。 これはブランディングにおいても同じで、ロゴやHP、店舗の外観、内観などお客様への見せ方にだけこだわっても、自社ブランドの価値を伝える従業員がそれを正しく認識していなければお客様に伝わることはありません。 ただ、『ESなくしてCSなし』と頭
▼先日、友人たち夫婦とともに地元で有名なレストラン、ヴィラ・アイーダ(Villa AiDA)さんを訪れました。 シェフの小林 寛司さんは4年前に情熱大陸で取り上げられたり、ミシュランで二つ星を獲得しているので、もしかするとご存じの方もいらっしゃるかもしれません。 お客様の中には、わざわざ東京からヘリに乗って食べにくる方もいるそうです(驚)。 アイーダさんの料理体験に触れ、様々な気付きをいただきましたが、それらをひと言に凝縮すると『どんな業種でも突き詰めていくと、アートに
「採用ブランディング」という言葉があるように、採用とブランディングは非常に親和性が高い領域です。 訴求する対象は違えど、企業の魅力を高め、適切な人材を引き寄せるという点ではまったく同じ。 ということで、今回は採用ブランディングについて少し深めていきます。 1. そもそもブランディングができている会社は、採用にお金をかけない 拙著【愛され続ける会社から学ぶ 応援ブランディング】を出版する際、日本中の応援されるブランド(会社)の経営者さんをインタビュー取材しました。 ※内
③思い付きで発信してしまい、一貫性のある活動を継続できていない 3つ目は、「思い付きで発信し、一貫性のある活動を継続できていないパターン」です。 ブランディングには、「意図的」「一貫性」「継続性」という要となる3つのキーワードがあります。 【意図的】…はっきりとした目的意識を持つ 【一貫性】…すべてにおいて矛盾がない 【継続性】…足を止めずに続けていく つまり、「思い付きで発信し、一貫性のある活動を継続できていない」という状態は、ブランディングの要をすべてを守れてい
②外に向けたブランディングを優先させている 2つ目は、「外に向けたブランディングを優先させているパターン」です。 外とは社外に向けたブランディングのこと。 応援ブランディングではあらゆるステークホルダーのことを大切に考えた上で、内部へのブランディング活動であるインターナルブランディングを重視する必要があります。 話をわかりやすくするため、まずブランディングの種類から説明させてください。 実はブランディングには2つの種類があります。 ひとつは社外に向けたブランディング。
①自社ブランドの強みを絞り込めていない まず、ひとつ目は、「ブランドの強みを絞り込めていないパターン」です。 〝強み〟と言うより〝軸〟と言ったほうが適切かもしれません。 これはブランディングではなく広告、とくにチラシを見ているとよくわかります。 「あれもできます」 「これもできます」 「さらにこんなこともできるんです!」 これだと伝えたいことが多過ぎて、結局どんな会社でどんな内容だったのかまったく記憶に残りません。 あなたにもそんな経験はないでしょうか? これは自