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Int 2:ストーリーポイント見積もりは必須か?不確実な時代の見積りの考え方
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この記事で学ぶこと
「アジャイル」な見積もり手法として、よく用いられる「ストーリーポイント」。
しかし、
「ストーリーポイントって、本当に必要なの?」
「どうやって見積もればいいの?」
「時間見積もりと、何が違うの?」
など、疑問や悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?
この章では、ストーリーポイントの基本から、メリット・デメリット、さらには、あなたのチームに最適な見積もり方法を見つけるためのヒントまで、徹底的に解説します。
この記事って要はこういう話
ストーリーポイントは、アジャイル開発で見積もりに使われる、独自の単位です。この章を読めば、ストーリーポイントの考え方、使い方、そして、あなたのチームにとって、ストーリーポイント見積もりが本当に必要なのか、不要なのかを、判断するための指針が得られます。
「ストーリーポイント」って、何?
「アジャイル」では、従来の「時間」による見積もりではなく、「ストーリーポイント」 という、独自の単位で見積もりを行うことがよくあります。
ストーリーポイントとは、ユーザーストーリー(顧客にとっての価値)を実現するために必要な、作業の「相対的な規模」を表す単位です。
例えば、「ログイン機能」は、ストーリーポイント「3」、「商品検索機能」は、ストーリーポイント「5」、「決済機能」は、ストーリーポイント「8」といった具合に、各ユーザーストーリーに対して、相対的な規模を、ポイントとして見積もります。
ストーリーポイントは、多くの場合、フィボナッチ数列(1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…)や、その変形(1, 2, 3, 5, 8, 10, 20…)などの数列を使って、表現されます。これは、規模が大きくなるほど、見積もりの精度が、曖昧になることを考慮し、このような数列で、表現するようになっています。
なぜ「時間」ではなく、「ストーリーポイント」で見積もるのか?
では、なぜ「アジャイル」では、「時間」ではなく、「ストーリーポイント」で見積もるのでしょうか?
その理由は、「時間」による見積もりが、不確実な要素が多く、正確な見積もりが難しいからです。
例えば、「ログイン機能の実装には、何時間かかる?」と聞かれても、正確に答えることは、難しいですよね。開発者のスキルや経験、その日の体調、開発環境など、様々な要因によって、作業時間は変わってきます。
一方、「ストーリーポイント」は、「時間」ではなく、「相対的な規模」で見積もるため、開発者のスキルや経験などの、不確実な要素の影響を、受けにくいというメリットがあります。
また、ストーリーポイントは、チームで見積もることで、個人の能力差を、平準化する効果もあります。
「ストーリーポイント」見積もりの、メリットとデメリット
「ストーリーポイント」による見積もりには、以下のようなメリットとデメリットがあります。
メリット
不確実な要素を、考慮できる:
開発者のスキルや経験、その日の体調など、不確実な要素の影響を受けにくい。チームで見積もることで、精度が向上する:
複数人で見積もることで、見積もりの精度が向上し、属人性を排除できる。議論が活発になる:
ストーリーポイントの見積もりを通して、チームメンバー間で、認識のズレをなくし、共通認識を持つことができます。ベロシティの計測に役立つ:
ベロシティとは、チームが、1スプリントで完了できる、ストーリーポイントの合計です。ベロシティを計測することで、チームの生産性を把握し、将来のスプリントの計画に役立てることができます。
デメリット
慣れるまでに、時間がかかる:
ストーリーポイントの概念を理解し、使いこなせるようになるまでには、ある程度の時間と経験が必要です。チーム内で、基準を統一する必要がある:
ストーリーポイントは、相対的な見積もりなので、チーム内で、基準を統一しておく必要があります。顧客や、ステークホルダーへの説明が難しい:
ストーリーポイントは、「アジャイル」特有の考え方なので、顧客や、ステークホルダーに、理解してもらうのが難しい場合があります。
「ストーリーポイント」は、本当に必要なのか?
では、あなたのチームにとって、「ストーリーポイント」は、本当に必要なのでしょうか?
結論から言うと、「必ずしも必要ではない」 と言えます。
ストーリーポイントは、あくまでも、見積もりのための、一つの手段です。ストーリーポイント以外にも、見積もりの方法は、たくさんあります。
例えば、Tシャツサイズ見積もり(S, M, L, XLなどで見積もる)、時間見積もりなど、様々な方法があります。
重要なのは、あなたのチームに合った、見積もり方法を選択することです。
あなたのチームに最適な、見積もり方法を見つけよう!
では、あなたのチームに最適な、見積もり方法を見つけるためには、どうすれば良いのでしょうか?
まずは、チーム全員で、それぞれの見積もり方法の、メリット、デメリットを話し合ってみましょう。
そして、実際に、いくつかの見積もり方法を、試してみることをお勧めします。
試行錯誤を繰り返す中で、あなたのチームに最適な、見積もり方法が、きっと見つかるはずです。
まとめ:「ストーリーポイント」は、見積もりのための、一つの選択肢
「ストーリーポイント」について、詳しく見てきました。「ストーリーポイント」は、「アジャイル」における、見積もりのための、一つの手段であり、必ずしも、全てのチームにとって、最適な方法とは限りません。
あなたのチームに合った、見積もり方法を、選択し、活用することが、何よりも重要です。
さあ、次のステップでは、チームで合意を形成する、効果的な手法、「プランニングポーカー」について、詳しく見ていきましょう!
理解度チェック
Q1. 「ストーリーポイント」とは、何でしょうか?
ユーザーストーリーを実現するために必要な、作業時間の見積もり
ユーザーストーリーを実現するために必要な、作業の「相対的な規模」を表す単位
ユーザーストーリーの、優先順位を表す単位
Q2. 「ストーリーポイント」で見積もるメリットとして、最も適切なものは次のうちどれでしょう?
開発者のスキルや経験などの、不確実な要素の影響を受けにくい
「時間」で見積もるよりも、正確な見積もりができる
顧客や、ステークホルダーに、説明しやすい
Q3. あなたのチームにとって、「ストーリーポイント」は、本当に必要でしょうか?
必ず必要である
必要ない
チームの状況や、プロジェクトの内容によって、判断する必要がある
解答
A1. 2. ユーザーストーリーを実現するために必要な、作業の「相対的な規模」を表す単位
A2. 1. 開発者のスキルや経験などの、不確実な要素の影響を受けにくい
A3. 3. チームの状況や、プロジェクトの内容によって、判断する必要がある
全問正解できましたか?間違えてしまった方は、もう一度記事を読み返してみてくださいね!
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