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浪人・留年・休学・就職浪人、「それでも幸せ」と言えるワケ。【インタビュー】

【自主企画】臆病者がライターになるために、大好きな人にインタビューをする。
それは、筆者の身近な人の手を借りて、インタビューを体験してみようというもの。背景は上記のリンクから覗いてみてください!

記念すべき第一回目は、複雑なキャリアを経験しながらも、とても前向きな考えをもつ、サダムラさん(仮名)をご紹介します。

サダムラさんは、現在IT企業で会社員をしている、都内在住の28歳男性です。
そんなサダムラさんは学生時代に、浪人・留年・休学・就職浪人を経験したと言います。
一見、複雑なキャリアを歩んでいるのかと思いきや、サダムラさんからは充実感がうかがえます。
「色々あったけど、それでも今が幸せ」と言えるワケを、早速聞いてみましょう。


思わぬ恩恵


ーーまずは自己紹介をお願いします。現在は、どのようなお仕事をされているのでしょうか?

新卒でIT企業に就職をしました。いわゆるプログラマーとして働いています。
今年で28歳になりますが、新卒2年目です。訳アリです。。。(笑)

ーーIT企業からリタイアした私からすると、とてもかっこいいです。もともとIT業界を目指されていたのですか?

大学では機械工学科といって、機械の設計書をつくるような学科にいました。
そういう意味では、メーカーなどに就職するのが一般的なルートだったのですが、僕はそれが嫌でした。

というのも、僕は大学で留年をしていて(笑)
先にメーカーに就職した友人たちから、メーカーの愚痴をたくさん聞いていました。
いわゆる古いルールが多すぎるとか、工場に絶対行かないといけないみたいな。。。

そして、大きな機械ありきの仕事、というのもあまり好きになれませんでした。
その会社じゃないと、仕事ができないってことじゃないですか。
会社に依存したくないな、という思いから、IT業界への就職を目指しました。

ーー留年したことで、先を行く友人たちから、思わぬ恩恵を受けたのですね。(笑)
先ほども、ご自身のキャリアは「訳アリ」とおっしゃっていましたが、これまでどのようなキャリアを歩まれてきたのでしょうか。

まず、大学に入る前に一浪を経験しています。
高校では部活のバスケに熱中しすぎたので、受験に落ちても「まあ、当然だよな」という感覚でした(笑)

次に大学3年のときに、留年をしました。
大学では、サークル、バイト、恋人探し…など、“THE・大学生”をやっていて(笑)
すごく欲張りな気持ちで、遊びも、勉強も、「全部両立する!」と思っていたのですが、ダメでしたね…。

ーー充実した大学生活だったんですね。留年した期間はどのように過ごされていたのでしょうか。

留年したといっても、単位を1つ落としただけなんですよ。とても厳しい大学で。
1年間あるけど、取る単位は“1つだけ”。
それはもう暇で。

「せっかく平日が空いているし」ということで、未経験の状態からIT企業でアルバイトをしました。

目をそむけ続けた欠点


ーーそこで、IT企業との出会いがあったのですね。実際に働いてみて、どうでしたか?未経験の状態から、というのは大変ではなかったのでしょうか。

それが、3ヵ月ほどでリタイアしてしまったんです。
まったくと言っていいほど、技術を習得できませんでした。

そこで僕は生まれて初めて、「勉強に目覚める」ことになります。

というのも、仕事で分からない事があっても、「どう調べたらいいのか」が分からなかったからです。

思い返せば、これまでも勉強が嫌いなわけではなくて、「どうしたら勉強ができるようになるか」が分からなかった。そこから目を背けていたんですよね。
だから、浪人もするし、留年もするし…(笑)

「このままじゃ社会人になれない」という思いから、「勉強に真面目に取り組もう」と決意しました。

ーー実際その後には、休学もされていますよね?これはどうしてでしょうか?

勉強に目覚めた僕は大学を休学して、東大の大学院受験をしました。
やるからには、高い目標が欲しかったんですよね。

これまで全く勉強をしてこなかった僕が、「東大を目指している」わけですから、そりゃもう周りからは、「あいつ、どうしたんだ?」となります。

僕以上に周りが、僕のことを心配していましたね。(笑)

とはいえ、僕がやりたかったのは「勉強」で「研究」ではなかったので、それが受験の面接で見事にばれることになるのですが、それはまた別の話…(笑)

ーー留年・休学と、大学をフルに使っている感じがありますね。その後は就職まで、どのような経緯をたどったのでしょうか。

それだけで済めばいいのですが、僕はさらに就職浪人もしています。(笑)
もうここまで大学を使い倒した人は、さすがに周りでもいませんでしたね。

大学院受験が終わったのが10月。受験には落ちてしまったので、そこから卒業研究と就職活動がありました。
わがままですが、どっちもないがしろにしたくなかったんです。

とくに就職活動は、焦ってテキトウなところを受けるよりも、時間をかけて挑みたい気持ちがありました。
なので、卒業研究をやりきってから、卒業後に就職活動を始めることにしました。
ここまでくると、一年浪人しても変わらないだろ、って気持ちもありましたね。(笑)

自信とは


ーー周りの人と違うキャリアを選択することに、不安はありませんでしたか?

ありがたいことに、自分よりも周りの方が心配してくれました。(笑)
僕はどこか、「その時々で、いいと思った方を選択している」という思いがありました。

とはいえ、就職活動では、自分のキャリアを説明するのが難しかったですね。
相手が求めている答えと、自分の考えのどちらを選択したらいいだろうか、みたいな迷いはありました。

面接だと会話なので、案外僕のようなキャリアでも分かってくれる企業はありました。
それがエントリーシートとなると、文章では気持ちを伝えにくかったり、字数も決まっていたりするので難しかったですね。

ーー面接の方が気楽というのは、意外ですね。それこそ面接のようになってしまうのですが、浪人・留年・休学・就職浪人を経験した今だからこそ、持っている強みはありますか?

休学してでも、大学院受験に挑戦したことです。
受験勉強を通して、「しっかりやる」ということができるようになった気がします。

ーーサダムラさんにとっての「しっかりやる」とはどのようなことなのでしょうか?

”自分”が思う、「こうあるべき」や「こうなりたい」に妥協しないこと、だと思います。

例えば、「お礼の手紙を書く」とか、「部屋をきれいにする」とかって、やった方がいいことじゃないですか。
でもめんどくさいからやらないこともある。
そこで妥協せずにやることが大切だと気づきました。

とくに僕は、勉強を「しっかりやる」ことから目を背けて、留年・休学などと大きくなって返ってきてしまった経験があるので(笑)

人付き合いでも仕事でも、「しっかりやる」ことで逆に楽になる、というのは大きな気づきだったと思います。

ーー確かにやり切ることで、気持ちごと前に進んでいける気がします。

そうですね。
あとはさまざまな経験を通して、かなり余裕ができました。
経験値が多いと、それだけ人の悩みに共感できることが増えて、優しくなれる気がします。

会社には死にそうな顔をしている人や、イライラしている人って、どこにでもいるじゃないですか。
そんな人たちの受け皿になる余裕ができた気がします。
最近では、上司や先輩から相談されることも増えてきました。(笑)

ーー私もよくお世話になっております。(笑)サダムラさんご自身が、現在も課題に感じていることはあるのでしょうか?

うーん。そこが、なかなか見つからないんですよね。
なりたい自分になれている、という感覚があります。

でもこうやって満たされると、初めて“遊び”が出てくるんだな、というのは感じています。
自分をこれからどうやって “プロデュース”しようか?といったことを、最近は考え始めました。
そこに“絶対”はないので、楽しいです。

ーー「なりたい自分になれている」と言えるのは、とてもかっこいいですね。

ありがとうございます。
自分の中で、「足りない」と思っている課題があるなら、そこから目を背けずにいることが大切な気がします。

なりたい自分をまず描いて、それを信じてやりきった経験が自信になっているんですよね。

積み重ねてきたこと


ーーキャリアに悩む方に、サダムラさんだから言える “メッセージ”をお願いします。

キャリアというのは、これまでの選択が積み重なった”単なる結果”でしかないと思っています。

その結果に至る前に、それぞれの分岐点の中で、「自分の気持ちを優先して選択をしてきた瞬間」がきっとあるはずで。

結果だけを見て、それを否定するのではなくて、それまでの自分の選択に、もっと誇りをもっていいと思います。

結果がうまくいかなくても、失敗したとしても、その積み重ねたことが全て無くなるわけではないじゃないですか。

その「積み重ねに気づくこと」が、僕なりの自信をもつ秘訣です。

ーー結果よりも、”「過程のなかで積み重ねてきたという実感」が自信になる”というのは、新たな気づきかもしれないです。

そうですね。どうしても社会では、結果が重要視されているように見えてしまいますよね。

でも僕は、積み重ねたことが十分にないまま、ラッキーなことに結果がうまくいっても、いつかほころびが出る気がしています。

そのような結果にすがるよりも、「やりきった」「積み重ねた」という“自信”がある方が、気が楽じゃないですか。

ーー確かに。結果さえよければ、中身はなんでもいいなんてことはないですよね。

そうですね。

そして苦しくなったら、逃げてもいい、とも思っています。
大切なのは、そこで逃げすぎないことではないでしょうか。
「いつか、その逃げたことに目を向ける」という気持ちさえ残していれば、
そこに目を向けるのは“いつだって”いい。やるのはすぐにじゃなくたって大丈夫。

僕のこれまでのキャリアだからこそ、言えることじゃないでしょうか。

とはいえ、僕もたくさん悩みました!!!!(笑)

ーーサダムラさんだからこそ言える、優しい言葉ですね。私も元気をいただけました。今日はありがとうございました!

自分の選択にもっと自信をもっていい、というサダムラさんの言葉には、強い説得力がありました。
・自分の「こうなりたい」に妥協しないこと。
・結果よりも、過程で積み重ねてきたことに目を向け、自分を認めること。
その連続が、強い自信になることを学ばせていただきました。

この記事が、さまざまな進路を選択した方々の、希望になれば嬉しいです。


プロフィール


サダムラさん。東京都出身の27歳。
幼少期は家族のお仕事の関係で、シリア・フランス・カタールで過ごした。
浪人・留年・休学・就職浪人を経験し、現在はIT企業でプログラマーとして活躍中。
将来は、パン屋かカフェを開くことを密かに夢見ているんだとか。



参考記事:

p.s.
初めてのインタビュー記事をやっと書きました。
最後まで読んでくださった方、本当にありがとうございます!
感想など、コメントでいただけたら嬉しいです😊🌿


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深瀬みなみ
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