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ZINEフェス吉祥寺で出会ったひとたち、なぜひとり出版社をやるか


土曜日は、雨雲出版の何度目かのイベント出店だった。
武蔵野公会堂で開催されたZINEフェス吉祥寺は、大勢の出展者と来場者でにぎわっていた。

イベント出店のたびに多くの方と交わす会話が、雨雲出版にとってもわたし自身にとっても貴重だなぁと毎回感じている。

それぞれ、アフリカに関する思いだったり、雨雲出版のキーワードで思い起こされるご自身のことだったり。そんな言葉を交わす中で、様々なひとの人生にほんの少し触れるようにも感じられるし、そこから生み出される何かがあるようにも思える。

雨雲出版の本を手に取っていただき、言葉が心に届いたならうれしい。
それが、読む人の人生にささやかな雨のしずくを贈るような、すてきなものであったら出版レーベルとして幸せではないか。

今回のZINEフェスに間に合わせるように、もっと「ZINEっぽいもの」を準備していて、急ぎ「CONTEXT vol.001」を作った。

既刊エッセイ本は長編なのだが、こちらは短いエッセイを集めたコレクションだ。印刷・製本もシンプルでリーズナブル。気軽に読んでいただけるものだ。(でも自分なりに深いメッセージは込めているつもり)

ZINEフェスは、文芸中心の文学フリマとは雰囲気が違い、お客様も軽い読み物系の方が手に取りやすいのではないかなと思う。実は昨日は、なんと9割方のひとがこの「CONTEXT vol.001」を最初に手に取ってくださった。



とはいえ、何度もイベント出店しているうちにどんどんお品数も増えてしまう。

今回のイベントでも思ったが、初めて「雨雲出版」を見る方にとって、情報量があまりに多すぎるのではないかと思う。

もともと雨雲出版は、南アフリカ/ボツワナの作家ベッシー・ヘッドの長編小説の翻訳を日本語で出版することを最初の目的として立ち上げたもので、まずは肝心のそれを実現させなきゃならない段階にある。

エッセイ本も、それ以外も、結局は本命の長編小説の副読本というか、関連本という位置づけでもある。やはり本命にちゃんと注力しなくては。

現在、小説の翻訳はファイナライズしており、各種手続きについても進めつつあるところ。
もう少しだけ時間がかかるけど、着実に進んでいる。

それにしても、ZINEフェスでは出にくいだろうなと思うものの、『水面をすべるモコロのように:作家ベッシー・ヘッドと出会ってボツワナを旅したわたしは、ひとり出版社をはじめようと思った』は読んでいただけたら嬉しいなぁと思う。
昨年まで勤めていた開発コンサル会社を休職し、うつ症状が出ていると言われ、その後16年ぶりに訪れたボツワナで出会った人々のこと、それが人生の大きな転機となり「ひとり出版社」を立ち上げたこと。そこから、感じたことを問題提起のように並べてある。

ひとり出版社をはじめて、まだ一年に満たずといったところだが、少しずつ自分でも気づかなかった意味が深まっている。そしてそれは、自分自身が紡ぎ出す言葉だけでなく、それを手に取り受け取ってくださる多くの人々とのふれあいから、変化していくものなのかもしれない。

これからどのようになるのか、楽しみだなぁと思う。

エッセイ100本プロジェクト(2023年9月start)
【32/100本】

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