イタンジを取り巻くステークホルダーと彼らへの提供価値をまとめてみた(前編)
こんにちは!
イタンジで経営戦略 兼 人事を担当している田村昂佑です。
面談・面接をしている中で「イタンジのプロダクトは社会に身近で興味を持ちました!」という声を聞く一方、「誰に何を提供しているのか分かるようで分からない」と言われることがよくあります。
以前、「ビジネスモデルから探るイタンジ プロダクトの全体像」という記事でプロダクトをまとめたものの、イタンジが目指したい世界観を実現するには、申込受付くんが肝になるとしか言えていませんでした。
そこで今回はイタンジのビジネスに関連する全てのステークホルダーを整理し
誰が
何に困っていて
その困りごとをどのプロダクトで解決しているのか
をご説明したいと思います。
登場人物が多すぎる、、!
ご自身が住んでいる(or住んでいた)賃貸物件のステークホルダーを全て思い浮かべられますか?思い浮かべられた方はすごい!多くの方にとっては意外と難しいんじゃないかなと思います。
不動産、少なくとも賃貸は、ほとんどの日本人が触れたことがあり身近に感じているはず。自分名義で契約したことのある方も多いはずです。
しかし、どのタイミングで誰がなぜ関わってくるのかはよく分からない、、
とはいえ、重要な契約や関係が知らぬ間に生まれてしまう不動産。イタンジへの興味の有無に限らず、本記事をきっかけに知っていただけると、今後の人生で役立つのではないかなと思います!
イタンジビジネスを取り巻く登場人物
オーナー(大家)
管理会社
仲介会社
エンドユーザー(入居者)
ポータルサイト
ライフライン事業者
家賃保証会社
保険会社
(敬称略)
多種多様な不動産業
そもそも賃貸に限って不動産業と一口で言っても、様々なタイプが存在しているのをご存知ですか?
オーナー業:不動産を所有し貸し出すことによる賃料を得る
管理業:オーナーから不動産管理を受託し、受託手数料を得る
仲介業:貸し手と借り手の間に入って契約を成立させることで、仲介手数料を得る
に大きく分かれます。
売買やオーナー業を営む方々も関わってはいますが、イタンジが主に関わっているのが、不動産仲介業や不動産管理業を営む方々。他には入居者が家賃滞納をした際に、代わりに家賃を納める保証会社さん。もしもの時に備えて入る家財保険会社さん。退去時にハウスクリーニングを担当する施工会社さんとも関わりがあります。
以下、一般的な入居者として関わっているであろう多くの読者様に合わせて、入居者目線で各プレイヤーが何をしているのかを解説します。
仲介会社さん
「不動産会社」と聞いて最もイメージしやすいのが仲介会社さんではないでしょうか。街を歩いて見つかる不動産会社さんの多くは不動産仲介業を営んでいる会社さんです。
ちなみに全国に46,691店舗(2023不動産業統計集より)あるそうです。
コンビニエンスストアが56,759店舗らしいので、少し少ないくらい。
彼らの業務としては
業者間サイト(ITANDI BB、レインズ)を見て紹介できる物件を探す
ポータルサイト(SUUMOさんなど)に物件を掲載する
ポータルサイトから問い合わせたお客様にお部屋を紹介する
部屋探し
内見の手配・案内
入居申込から契約までのサポート
になります。
業務をしている中でよくある困りごとは
紹介できる部屋(どれが空室か)が分からない
ポータルサイトからの問い合わせ対応に追われている
です。
紹介できる部屋が分からない!?
「紹介できる部屋探し」に困っているとはどういうことでしょう?
不動産会社なんだから当然世の中の空室を把握していると思いきや、実は仲介会社さんはどの部屋が空室なのかは把握できません。なぜなら物件の空室状況を管理しているのはあくまで管理会社さんだからです。
空室状況が分からないのにどうやって紹介しているのか?
ズバリ、管理会社さんに「この物件空いてますか?」と電話で聞いています(物件確認・空室確認と言います)。この作業が結構地獄なのです。
大変な理由は
お客様への紹介のため、ポータルサイト掲載のために確認すべき物件数が膨大
何度も電話すると対応する管理会社さんの負担にもなり申し訳ない気持ちになる
です。
空室確認の困りごとが、分かりやすくまとまっている記事があったので、よければご覧ください。
ポータルサイトからの問い合わせ対応に追われている
昔は店舗の物件案内図を見て来店するのが一般的でしたが、現在はほとんどの方はポータルサイトで物件を検索してから来店しているかと思います。
ご自身がお部屋探しをしている様子を想像していただきたいのですが、ポータルサイトから複数の部屋に問い合わせはしませんでしたか?おそらく、一件だけ問い合わせるということはないかと思います。
仲介会社様の立場からすると、大切なお客様から問い合わせが来ても、複数の店舗に問い合わせをしているので、連絡が遅れると他の店舗にお客様を取られてしまうことになります。そのため、問い合わせが来たら即レスが原則です。
しかし、他のお客様の内見を案内していたり、契約のための書類をまとめたり多くの仕事がある中で、素早く問い合わせに対応するのは大変。仲介会社さんは基本的に常に忙しいのです。
仲介会社さんのお仕事内容がまとまっている動画があったので、こちらもよろしければご覧ください。
管理会社さん
オーナーさんから物件を預かり管理業務を行います。と言ってもイメージしづらいと思うのでちゃんとご説明します笑。
入居者目線では
家賃の振込先(振込先が保証会社さんの場合もあります)
更新、退去の連絡先
トラブルがあった際の問い合わせ先対応
が分かりやすいのではないでしょうか。
仲介会社さんとの違いはざっくり
お引越し前 → 仲介会社さん
お引越し後 → 管理会社さん
が対応すると認識していて良いと思います(仲介業と管理業両方を行い、引越し後も同じ会社さんが対応される場合もあります)。
業務をしている中でよくある困りごとは
仲介会社さん対応が大変
入居者さん対応が大変
空室率対策
管理物件数の確保
です。
仲介会社さんから電話がなり続ける!?
仲介会社さんが管理会社さんに電話で大量に空室確認をするのが大変という話を上で書きました。逆に言えば、管理会社さんは仲介会社さんからの大量の空室確認が大変だというのは分かりやすいと思います。
入居前後はやる事沢山
賃貸契約をする際、入居者目線でも沢山の書類に目を通し、サインしたり連絡先を書いたりした覚えのある方が多いのではないでしょうか?
管理会社さんはそれ以上に多くの事務処理が発生します。
賃貸契約を行うまでの流れを整理しましょう。
入居者から入居申込を受け付ける
申込用紙をもとに入居審査を行う
社内でのチェック
保証会社さんにもチェックしてもらう
オーナーさんにもチェックしてもらう
審査が通れば入居日を決める
契約書(賃貸借契約書の他に都道府県ごとに定められた書類や保険の契約書も含む)を作成し、契約する
何が大変かを一言でいうと「多くのステークホルダーとコミュニケーションを取りつつ、沢山の書類を作成・処理する」のが大変です。
事務的な業務が多いために、本来管理業として力を入れなければならない空室対策やオーナーさんへの営業に時間を割けないという構図になっています。
家賃保証会社
家賃保証というビジネスは2000年ごろから誕生した比較的新しいビジネスモデルです。それ以前は連帯保証人(賃借人が家賃を支払えなかった場合に支払う人。賃借人の親が連帯保証人になることが多い。)の設定が求められていました。
保証会社さんの役割は
家賃滞納があった場合に入居者に代わりに管理会社/オーナーに支払う
家賃滞納があった場合に入居者に立て替えた分の請求を行う
もっと詳しく知りたい方は保証会社さんの役割などがまとまっている、こちらの記事をご覧ください。
施工会社
施工会社さんは、入居者さんが退去した後に壁紙を張り替えたり、清掃したりしてお部屋の原状回復を行っています。入居者さんではなく、管理会社さんからお仕事の依頼を受け付けます。
入居者目線で施工会社さんとやり取りがあるのは、1回の引越しにつき、1度のみです。
新居に引越しをした後、前のお部屋の退去立会があるのはご存知でしょうか?その立会いの場で、何やらフローリングの傷やエアコンのカビを調べているのが、施工会社さんです。入居者はこの時に一度だけ会い、施工会社さんを提示されて終わりです。
管理会社さん目線では、やることがいくつかあります。
退去が決まったら施工会社さんに連絡
入居者さんと施工会社さんの間を繋ぎ、立会い日を決定
施工会社さんが提示した工事費用を確認
オーナーさんにも費用を確認してもらう
管理会社さんはここでも、複数のステークホルダーの間に立ちながら、煩雑な事務処理をしていることがお分かりいただけるかと思います。
まとめ
今回は仲介会社さん、管理会社さん、家賃保証会社さん、施工会社さんの業務のご紹介とお困りごとをまとめました。
文章を書き始めた時、イタンジのビジネスに関連する全てのステークホルダーを整理し
誰が
何に困っていて
その困りごとをどのプロダクトで解決しているのか
をご説明したいと思っていたのですが、3まで1記事に納めると6,000字を超えそうなので、後編に分けたいと思います。