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『「自分」の壁』を読んで。

帯文に惹かれて読みました。私は自分探しをやっている人だと思っているので、相反するメッセージが書いてある本を手に取ろうと思いました。加えて、所さんの目がテン!という番組で養老先生について興味がわき、気になったのもあります(バカの壁で初めて名前を知りましたが、読んでいません)。

読んでいて思ったのは、文体がしゃべっているままを文章にしたような書かれ方をしている印象でした。たまにこういう文章に出会います。

全体の感想としては、自分は自分だけでなく周囲の関係性の中で生きている。自分はいてもいなくても良い存在。世界に溶け込むのが一番。こんなメッセージを受け取ったような印象でした。

ここで結構面白かったのは、自分の唾液や排便・尿が身体の外に出た途端に汚いものと見なすのはなぜ?という子どもの質問を真面目に答えようとすると難しいことです。確かに。非常時に便や尿をろ過して水として飲むという方法があるのは知っていますが、とても飲めないと思っています。けれども、いざ非常時になると自分も飲んでしまうのかな?とも思っています。

ここからポツポツ記憶に残った所を書いておきます。

  • 都市化が進むと人間関係が薄くなるというのは今に始まった話ではなく、江戸時代からあったそうです。荻生徂徠(おぎゅうそらい)は「江戸の人は旅宿人だ」と表現していたそうです。

  • 麻酔の効果は科学的には証明されていない。この本が発行されて9年の今はどうか知りませんが。

  • ノーベル賞は個を認めようとする西洋文化の象徴のようなもの。なんとか個人に帰着させようとしているそうだ。西洋文化が日本に入ってきて、「個」が重要視されるようになってきたか、日本にはその文化は合っていないということも多く触れられていたように感じた。

  • 情報を仕入れすぎると自分のアイデアが枯渇する。これは結構思っている。とは言いつつも、本を読みまくっているのはある。


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