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カフェ経営者の必読書・佐藤尚之『ファンベース』

先日の投稿でも引用させていただいた、佐藤尚之さんの『ファンベース - 支持され、愛され、長く売れ続けるために』という書籍。これからの時代で事業をする上での"必読書"と断言できるほど、大事な要素が詰まりまくった一冊です。

僕は常にこのテーマについて考えているので、「うんうん、そうだよね」という感想を持つ部分が大半でしたが、読み進める中で「えっ、そうなの!?」や「知らなかった……」などの感想が多かったら、黄色信号かもしれません。その確認のためにも、ぜひ読んでみて欲しいと思います。

この記事では、特にカフェで意識すべきポイントを1つ紹介します。

「ファンベース」とは何か?

大前提になる話なので、サラッと触れますね。本書からの引用です。

ファンベースとは、ファンを大切にし、ファンをベースにして(ベースには、土台、支持母体などの意味がある)、中長期的に売上や価値を上げていく考え方だ。(電子書籍位置59)

そして、ここで言う「ファン」の定義は、以下の通り。

ファンとは「企業やブランド、商品が大切にしている『価値』を支持している人」と、この本では定義したい。(電子書籍位置65)

つまりファンベースとは、「自分のお店が大切にしている『価値』を支持してくれている人を支持母体として、中長期的に売上や価値を上げていく考え方」なんですね。

だいぶ昔のnoteにも書きましたが、ファンになってもらうためにはお店の理念や信条、想い(=お店が大切にする価値)が必要です。そこに共感してくれる人を集める。

カフェが意識すべき大事なポイント:「ファン」は20%でいい

本書でも記載されているのですが、「パレートの法則」というのをご存知でしょうか?

ざっくり言うと、こんな感じの説明になります。

2割の要素が、全体の8割を生み出しているというばらつきの状態(上記ページより引用)

この点について、『ファンベース』では以下のように"目指すべき姿"が示されています。

ファンとは少数なのである。「パレートの法則」がだいたい正しいことを前提にするが、ファンは買ってくれた人の20%くらいだったりするわけだ。(中略)その少数派である20%を大切にし、作り育てるのがファンベースなのである。
そして、ファンベース施策のとき一番間違えがちなのは「全員にファンになってもらいたい」と望んでしまうことだ。(電子書籍位置891)

この「買ってくれた人」を「来店してくれた人」に置き換えれば、まるっとそのままカフェの話になります。

どうでしょう?お店の売上を作ってくれている割合は、常連さんと新規のお客さん、どちらが多いでしょうか?

ここで勘違いしてほしくないのは、「新規が多い……どうしよう……」と悩む必要はないということです。現状で新規が多いのは、むしろ良いことです。見込み客ならぬ「見込みファン」をたくさん獲得できているということなのですから。大事なのは、新規で来てくれた人に2度目、3度目に来店してもらって、しっかりとファンになってもらうことです。

約20%前後いるはずの彼らに常連さんであり続けてもらうこと。そして彼らと関係性を深め、もっと来てもらうこと(LTVを上げること)。これが一番重要な施策になる。
次に重要なのは、そうしてより深い関係性になった常連さんの中からごく少数を「超常連さん」にし、彼ら彼女らを大切にしてLTVを上げていくことである。この2つだけでも店の収益は安定的に伸びていくだろう。(電子書籍位置961)

※LTV:ライフタイムバリュー。そのお客さんが、自分のお店で一生涯にいくら使ってくれるか

この考えに立脚していれば考えるステップ、そして実行すべきことは非常にシンプルです。

① お店のことを知ってもらう

② 来店してもらう

③ ファン(常連さん)になってもらう

④ 超常連さんになってもらう

これは個人的な考えですが、「お店のことをまず広く知ってもらって、来てもらった人の中からファンになってもらう人を探す」よりも、今は「最終的にファンになってもらいたい層をお店側で選んで、その層を直接刺しに行くプロモーションを考え、ファンと一緒にお店のブランドを作っていく」方が、結果としてお店もお客さんも両方がハッピーになれると考えています。

「無二」の存在になる

最後に、これからの飲食店が目指すべき位置がとてもシンプルに、かつクリティカルにわかる箇所を紹介して終わりたいと思います。

「愛着」も「他に代えたがいもの」だったが、「無二」というのはそれよりも強い関係性を持った「自分の人生になくてはならないもの」に近い。
(中略)
ファンベース施策で、そういう関係性や思いを商品にまとわせることは出来る。(電子書籍位置1990)

具体的にどんな手法があるかについては、ぜひ本書をお読みいただきたいと思います。「読んでから世界が変わった」という体験をする人も、中にはいると思います。それだけハッとする一冊です。

【28歳、ラスト1ヶ月チャレンジ 進捗報告(26日目まで)】

・Google Analytics個人認定資格(GAIQ)初級と上級合格:初級#1クリア
・Facebook認定メディアプランニングエキスパート合格:未着手
・読書10冊(楽しみな本が続々発売予定):8冊
・スピンバイク累計100km漕ぐ(結果として2キロ痩せたらラッキー):累計74km
○Instagramフォロワー2,500到達(開始時2,325):2,579→2,583(+4)

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「札幌でカフェのある暮らしを楽しむメディア」A Day in the Cafe

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