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人事業務を理解する-人事制度編(昇格/降格基準の明確化)

前回に引き続き、等級制度に関して見ていきます!
今回は昇格/降格に関してです。
等級制度において昇格や降格の基準を明確化することは、組織の透明性と従業員のモチベーション向上に繋がります。
では、昇格/降格基準の明確化手順とその重要性に焦点を当ててみていきましょう。

1. 人事評価の反映基準を決定

昇格や降格の基準は、従業員の成果や貢献をどのように評価するかに関連して考えていきます。このステップでは、具体的な成果指標や行動基準を定めて、従業員の評価基準を明確にします。ここで意識するのは、組織として評価したい人材はどんな人材であろうかという点です。ここを意識して考えていきましょう。

【手順】

  • 等級判定定義の設定:具体的な等級の定義を設定し、それを基準に昇格や降格の検討が行われるようにします。各等級は入学要件にするか卒業要件にするかも合わせて考えておきましょう。

  • 成果/行動基準の策定:従業員の成果/行動や態度を評価する基準を設定します。コミュニケーション能力やリーダーシップなどが含まれることがあります。また、成果に関しては会社のMVVに紐づけて考えてみると良いでしょう。

2. 昇格候補者の推薦方法を決定

昇格候補者を選定するための方法やプロセスを定めることが重要です。公平な選考を確保するために、推薦方法を明確にしておきます。「なぜこの人が?」とならないためにしっかり考えます。

【手順】

  • 自己申告と推薦:従業員自身が昇格候補となる意向を示す自己申告と、上司や同僚が推薦を行う方法からどちらが適切かを検討します。

  • 適性評価の実施:推薦された候補者の適性を評価するための評価プロセスを決定します。面接や評価者による評価などが打ち手として考えられます。。

3. 社内審査の承認フロー・時期を決定

昇格候補者の評価や推薦をもとに、社内審査を行うプロセスを設定します。承認のフローと時期を明確にすることで、評価の透明性を高めることを意識します。

【手順】

  • 審査プロセスの決定:昇格候補者の評価結果をもとに、審査を行うためのプロセスを設定します。審査委員や審査ポイントなどを考えておきます。

  • 審査時期の設定:昇格審査の時期を定めます。定期的な審査サイクルを設けることで、評価の一貫性を保ち、オペレーションコストを下げることができます。

4. 昇格決定者・社内への通知方法を決定

昇格が決定された場合、その結果を適切に通知する方法を明確にしておきます。従業員のモチベーションを高めるためにも、適切なコミュニケーションが欠かせません。

【手順】

  • 通知方法の選定:昇格決定者に対する通知方法を決定します。個別面談や公表などの方法が考えられますが、おすすめは個別に1on1で伝えることです。しっかり意識づけをその場で行うことで、モチベーションの向上を図ります。

  • フィードバックの提供:昇格時には、従業員に対してフィードバックを提供します。成果や成長の評価に対する具体的なコメントをします。

なぜ重要なのか

昇格/降格基準の明確化は、以下の理由から重要です。

  • 透明性と公平性の確保:明確な基準に基づいた評価と昇格/降格の決定によって、透明性と公平性を保ちます。

  • モチベーションの向上:明確な評価基準と報酬の関連性があることで、従業員のモチベーションが高まります。

  • 組織の成果向上:適切な昇格/降格基準によって、従業員の成長を支援し、組織の成果向上に寄与します。

  • 組織文化の強化:適切な評価とコミュニケーションを通じて、組織全体の信頼と文化を強化することが可能です。

昇格/降格基準の明確化は、定性的で曖昧であった組織に大きな変革をもたらします。ロールモデルがいなくて悩んでいた社員も、目指すべき指針ができることで、一定レベルのモチベーションを維持して業務を行うことができるようになるでしょう。

Actors,Inc
代表 井田
mail:chihiro.ida@actors-inc.com
会社概要 | コンサルティング・アウトソーシングならActors (actors-inc.com)

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