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1日10分の免疫学

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「エッセンシャル免疫学第3版」の公開型自主勉のまとめ。
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#アレルギー

1日10分の免疫学(54)IgE介在性免疫①

第14章  IgE介在性免疫とアレルギー本「免疫系は、感染性物質と人体由来の物質とを識別する。そうすることで、『自己』には寛容に、病原性物質は異物として認識することができる」
大林「無害な異物は?有益な異物もあるよね」
本「それらの多くは動植物に由来する抗原。免疫系は異物を危険か無害かを見分けていると考えられる」
大林「すごいな。長~~~い年月をかけて人類が獲得してきた自然免疫のセンサー(Toll

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1日10分の免疫学(55)IgE介在性免疫②

1日10分の免疫学(55)IgE介在性免疫②

IgEの役割本「IgEの生理学的な役割は、マスト細胞、好塩基球、好酸球と協働して多細胞寄生生物(特に蠕虫)の感染を防御すること」

◆復習メモ
Ig(アイジー):免疫グロブリンimmunoglobulinの略記。抗体のこと。IgG、IgA、IgM、IgD、IgEの5種類のクラスがある。
「Y」の形をしていて、上半分の「v」がFab領域 (Fragment,antigen binding)と呼ばれ、

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1日10分の免疫学(56)IgE介在性免疫③

マスト細胞について本「マスト細胞は、中枢神経系と網膜以外の血管が分布するすべての組織(体表の粘膜や上皮組織)に存在する」
大林「うーん、いまいちどこなのかピンと来ないんだけど、脳と脊髄と網膜以外の組織表面に幅広く居るってことかな。さすがは警備員!」
※「休み時間の免疫学」でマスト細胞は警備員に例えられています

本「マスト細胞は、局所の外傷や感染の注意喚起をして、組織損傷の修復を促す役割を担ってい

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1日10分の免疫学(57)IgE介在性免疫④

1日10分の免疫学(57)IgE介在性免疫④

アレルギーの種類本「アレルギー疾患はアレルゲンの侵入経路やアレルギー反応が起こる部位によって症状や重症度が異なる」
大林「へぇ。で、無害な物質がアレルゲン認定されちゃう仕組みを詳しく教えてくださいな」

Ⅰ型過敏反応のアレルゲンについて本「Ⅰ型過敏反応を引き起こすアレルゲンはすべてタンパク質抗原です」
大林「タンパク質……いっぱいありますやん!」
本「でもアレルゲンとなるのはごく一部のタンパク質で

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1日10分の免疫学(58)IgE介在性免疫⑤

1日10分の免疫学(58)IgE介在性免疫⑤

本「アレルゲンによって表皮の下のいるマスト細胞が活性化され、ヒスタミンが放出されると蕁麻疹(じんましん)と呼ばれる瘙痒(そうよう)を伴う膨疹(ぼうしん)が出現する」
大林「あの痒くてブワーッと腫れるやつね」
本「皮下深部で起こると、より広範囲で起き、血管性浮腫となる」
WEB「蕁麻疹は、真皮内の肥満細胞(マスト細胞)からのヒスタミン放出による血管透過性亢進により表皮を盛り上げる境界明瞭な膨疹。血管

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