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効率化と温かみ、どちらも叶えるちょうどいい着地点を探して。

住民の高齢化で自治会役員のなり手がいない問題。

時々、ネットニュースなどでも目にするが、外部委託を請け負う業者まで最近は登場しているという。

ご多分に洩れず、私の住む地域でも頭を悩ませている問題である。

私が暮らす地区では、まず1年間班長をやって、翌年は自動的に役員になるので、丸2年間、自治会の仕事に従事することになる。

「アセルさん宅よりも先にやってもらいたい家庭があるんだけど、何度電話しても出なくて…良ければ来年度の班長を引き受けてもらえませんか?」

と、約2年前に当時の班長さんから依頼されたとき、
住み始めてまだ3年ほどの地域に早く溶け込みたいし、顔見知りが増えることで防犯上の対策にもなるのではという思惑があり、ぜひに、と引き受けた。

結論を言えば、やって良かった。
役員をやらなければ関わらなかった人たちとの交流が持てたし、自分たちで地域のことを真剣に考える機会をもらえたから。

その役もあと半月で終わる。

私は、自分の任期が終わったときに、
「よっしゃー解放された!次の人、大変だけど頑張って!」とはなりたくないな、という思いが次第に強くなっていった。

「自治会の仕事、こりゃ結構大変だぞ・・・」と感じるたびに、
負担を最小限にして、ふっと誰でも引き受けられるような組織にしていかないと、班長や役員をするのが罰ゲームのようになってしまう。

実際そう思ってる人にも遭遇してきて、勝手に悲しく思っていた。

だって、地域の仕事を、たまたま順番が来たからやってくれているだけなのに、しんどい思いをしてやっていたら、誰も幸せじゃないもんな・・・。

そこで、そんな課題をメンバーで話し合った結果、今後の自治会の在り方を考える参考にしようと、アンケートを作成し、会員約300世帯に配布した。

私は、このアンケート用紙の作成、印刷、集計、結果報告書作成までをメインで引き受けた。この自治会アンケートに大きな意義を感じたからだった。

アンケートは150世帯を下回る43%の回答率だったが、さまざまな意見を得ることができて、集計作業はとても面白かった。

集計は、役員の中で親しくなった、同じく5歳の男の子育児中の女性と2人で、夜中まで連絡を取り合いながら締め切りギリギリまで行った。

アンケートで浮き彫りになったのは、

  • 多くの人が、行事を減らしてでも負担のない活動をしてほしいと思っていること

  • 年配の方は、体力の衰えで役員を引き受けられず申し訳なく思っていて、不本意ながらも自治会を退会すべきか悩んでいる人も多数いること

  • イベントは減らしても良いが、交流は減らさないでほしいと思っている人が多いこと

この結果を受け、12月に集計結果報告を作成し、急いで回覧で回した。

編集後期には、好き勝手に思いの丈を綴らせてもらった。

皆様、お忙しいところ、アンケートにご協力いただきありがとうございました。
現在、自治会役員をしながら、会議をはじめとした定例の業務に加えて、色々なイベントの開催の準備が大変だと感じています。同時に、これまで〇〇丁目を盛り上げてきてくださった先輩たち、前任の方々へ感謝してやみません。
なかなか収束の兆しを見せない感染症の影響もあり、この2年間中止になっていたイベントについて、今年度は開催するかしないか(できるのか)、その安全性や必要性について考え直し、議論する機会も増えました。
この機会を無駄にせず、自治会員の皆様のご意見を伺い、今後の活動、運営などの参考にしたいと考え、今回アンケートを実施いたしました。
結果から見えてきたのは、少子高齢化が進む中、全世代の交流を絶やさず、温かな地域を目指しながらも、班長・役員の業務負担軽減を考えていかなければならないという課題です。
いつでも、誰でも引き受けられるような自治会活動・運営の継続を考えるにあたり、まずは早速、来月開催予定の「とんど焼き」※から、アンケート結果を反映させた体制で開催を考えたいと思っています。
このアンケート結果を元に、持続可能な温かい自治会活動を考えるきっかけにしたいと思いますので、引き続き、ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

※どんど焼きともいうみたいですね

※どんど焼きとは…
松の内まで飾っていた松飾りやしめ縄、お正月にしたためた書き初め、昨年に授与したお守りなどを、神社や地域の広場・畑などに持ち寄って燃やす(お焚き上げする)行事です。

https://kandaijinavi.com/report/ca6/dondoyaki/

この1月のとんど焼きを開催するにあたり、コロナ前まで行っていた、とても手のかかる、お餅の振る舞いなどをなくし、おつまみや、お菓子、飲料を購入して配布するだけにしよう、と役員で決めた。

私の中では、最初からそうするためのアンケートだった。

この2年間はお焚き上げさえしていなかったのだから、人が集う場を設けるだけでも意義があり、かつ、アンケート結果をもとに今後の活動の負担を減らすモデルケースを実験的にやってみたような体裁にしたので、「お餅食べたかったなぁ」というクレームに対する逃げ道を作ったとも言える。

この自治会役員の仕事はまもなく終わるが、
そこで見つけた課題を引っ提げて、次の3年間、民生委員として地域福祉に関わっていく所存だ。

いやー我ながら真面目だな。笑

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