極上のライト
スコセッシとストーンズ
映画監督のマーティン・スコセッシ。
言わずと知れたアメリカを代表する名映画監督。
代表的な作品として「タクシードライバー」や、「レイジング・ブル」や「グッド・フェローズ」「カジノ」など。
当然のことながら他にも有名な作品は数知れず。
その中で、レオナルド・ディカプリオ主演、ジャック・ニコルソンやマット・ディモンも共演したクライム・サスペンスがある。
日本では2007年に公開された映画「ディパーテッド」。
この映画でスコセッシはアカデミー賞を受賞した。
確か作品賞と監督賞だったかな。
そして劇中歌で流れているローリング・ストーンズの「ギミー・シェルター」という歌も作品の雰囲気作りに一役買っていた。
冒頭の、キース・リチャーズの弾く不穏なギターのアルペジオの調べに乗せて始まる「ギミー・シェルター」
おどろおどろしいと言っても良いのか?
曲の雰囲気もさることながら、途中で入る女性ボーカルのシャウトしながら情熱的に唄い上げる箇所があるのだが、 その部分が一番好きな部分だ。
映画を観た当初はギミー・シェルターの印象も忘れられなかった。
劇中歌でストーンズの歌を使うなどスコセッシはロック等の音楽が好きだ。
そしてスコセッシが、ローリング・ストーンズのライブをドキュメンタリー映画として記録した映画がある。
それはスコセッシの念願でもあったそうだ。
2008年に公開された
「シャイン・ア・ライト」
2006年の秋に、ニューヨークのビーコンシアターで行われた2回のライブをフィルムとして収めた作品。
映画館にも行ったし、DVDも買ったし、CDも買った(笑)
シャイン・ア・ライト…
映画の内容を振り返る前に、大好きなバンドザ・ローリング・ストーンズのことを少しばかり書いてみたい。
ローリング・ストーンズのこと(少し)
1962年にイギリスで結成されたバンド。
バンドの中心メンバーであるミック・ジャガーとギタリストのキース・リチャーズは幼なじみだそう。
そんなある日に、ダートフォード駅で偶然にも再会したミックとキース。(違うかも?)
ミックの脇に抱えたレコードの話で2人は意気投合し、そこから何かが転がり始める。
そして、クラブで演奏していたブライアン・ジョーンズのプレイに衝撃を受け、ブライアン・ジョーンズとバンドを結成していく。
後にメンバーはドラマーのチャーリー・ワッツと、ベーシストのビル・ワイマンが加入し、「ザ・ローリング・ストーンズ」として始動する。
ちなみにバンド名「ローリング・ストーンズ」は、シカゴ・ブルースのボスとも言われるマディ・ウォーターズのシングル「ローリング・ストーン」から取ったそう。
そのことからも分かるように、ストーンズはこよなくブルースを愛した。
そして当時のR&Bやソウルの影響も受けており、バンド初期の頃は主にこういったカバー中心で楽曲を構成していた。
やがてジャガー&リチャーズ名義で自らが作詞・作曲をするようになり、数々の代表曲を生んでいく。
一聴してそのイントロが耳に残る「サティスファクション」や、「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」、「黒くぬれ」など次々とリリースしていくのである。
バンドの歩みは決して順調ではない。
自らのアルコールやドラッグ問題や、女性問題などスキャンダラスな話題には事欠かない。
そして幾度かメンバーチェンジもしている。
60年代の終わりには、初期メンバーだったブライアン・ジョーンズが脱退し、新たにギタリストとして、名を馳せていたミック・テイラーが加入する。
ちなみにブライアン・ジョーンズは作詞や作曲はしてないけど、あらゆる楽器を弾きこなす能力に長けていたとか。
「黒くぬれ!」の印象的なシタールの音もブライアンのプレイ。
ビートルズのジョージ・ハリスンが教えたらすぐに出来るようになってビックリしたとかしないとか…
違うかも(笑)
そして人によって様々だが、ミック・テイラーが加入したこの頃が、ストーンズの黄金時代と言われる方もいらっしゃるとか。
自分もそうかな…?
ギターのリードプレイを、凄腕のミック・テイラーに任せて、ストーンズサウンドの屋台骨を支えるキースのリズム・ギターが本格的に炸裂し始めるのもこの時期かな?
1969年~1974年あたりのこと。
アルバムも1969年「レット・イット・ブリード」や、同年発売のライブアルバム「ゲット・ヤー・ヤー・ヤズ・アウト」、1971年「スティッキー・フィンガーズ」、1972年「メインストリートのならず者」、1973年「山羊の頭のスープ」、1974年「イッツ・オンリー・ロックンロール」など。
この頃がミック・テイラーが在籍していた頃のこと。
どのアルバムも大好きだ。
「ラフでルーズなストーンズ」というイメージもこの頃の楽曲で築かれたのかな?
スワンプ・ロックというアメリカ南部発祥のブルースやソウル、カントリーなどを混ぜたロックに影響を受けたり、自らのインスピレーションの元とも言えるブルースなどを、栄養分にして独自のサウンドに構築していくのである。
粘っこく、ブルージーに…。
キースのリフやチャーリーのドラミング、ビル・ワイマンの鳴らすベースが絡んでくる。
最高傑作とも言われる「メインストリートのならず者」収録のバンドを代表する曲で「ダイスを転がせ」という曲がある。
歪んでルージーな響きが鳴るギターのイントロから、独特のタイミングのチャーリーのドラミングに、曲のスケールを大きくするコーラスが入り、ミックの粘っこく唄いあげる様が何とも言えない味わいを生み出してくれる。
「メインストリートのならず者…」
オススメだ。
後にミック・テイラーは脱退して、新たにギタリスト、ロン・ウッドが加入する。
それまでのイメージから少しずつ変わっていき、アーバンでオシャレな雰囲気な響きも取り入れた1976年「ブラック&ブルー」発表の頃のことである。
そしてバンドは80年代の解散危機を迎えたり、90年代初頭にはビル・ワイマンが脱退したりするが、サポートメンバーを加えたりしてミック、キース、チャーリー、ロンの4人で転がり続けていった。
2023年の今でも活動している。
残念ながら2021年にドラマーのチャーリー・ワッツは亡くなられたが…。
もうメンバーは大体80歳に近い年齢かな?
スゲえな~。
見習わねば(笑)
っとまあざっとストーンズのことを書いてみました。
穴だらけの文章なので説明になってるか分かりませんが、愛着のあるバンドです。
また文章に起こす力があれば書きたい…。(笑)
まぁそんなことはどうでも良いとして、映画の話題を少しばかり。
シャイン・ア・ライトの感想
前述したように「シャイン・ア・ライト」は2006年に行われたライブを元に映像化した作品。
ライブに入るまでのスコセッシとバンドのやり取りなども冒頭に入っている。
当日のカメラワークなどを決めたいので、早めにセットリストを知りたいスコセッシ。
対してのらりくらりとするストーンズ。
観ていてこのへんのやり取りが微笑ましい(笑)
ライブの冒頭ではクリントン元大統領がバンドの紹介に入るシーンも。
そしてライブ直前にセットリストが手に入り、指示を入れるスコセッシ。
カメラはビーコンシアターの外から入り、アナウンスのローリング・ストーンズ!の紹介からライブが始まっていく。
1曲目は代表曲「ジャンピン・ジャック・フラッシュ」
当時バンドメンバーは60歳を超えた頃か。
2005年には「ア・ビガー・バン」というアルバムを出しており、ワールドツアーの真っ最中。
その影響もあるのだろうか…。
演奏がキレッキレだった気がする…。
特にミック・ジャガー
よく動くンです(笑)
特徴的なクネクネとした動きと、これまた特徴的に歌詞を歌っている。
1度みたら忘れない動き。
キレッキレやし、とても60歳超えた動きに見えない。
それを見ただけでも劇場に足を運んだ価値があった(笑)
2曲目には「女たち」というアルバムに入った「シャッタード」という歌をプレイする。
ビーコンシアターの舞台はニューヨーク。
そして「シャッタード」もニューヨークで働く人のことを描いた歌。(確か)
なのでプレイリストに入れたのかなと個人的に思ったり思わなかったり…。
ミックの歌うシャッタードの動きもあいまり、忘れられないフレーズの「シャッタード」が耳に残る。
それにしても印象的なのが、バンドが心の底から楽しそうに弾く姿や、劇場で観客との距離が近いこともあってか、実に臨場的で熱気が伝わってくる。
代表曲のおなじみのフレーズでは観客も一緒にのったりして、バンド冥利に尽きたのではないか。
何よりも映画ということもあり、カメラワークが素晴らしい。
バンドに対するスコセッシの愛なのだろうか。
普段のセトリでは入っていないような曲もプレイしている。
ちなみに劇場版とCDだと、CD版の方が曲数が多い。
大体60年代~80年代の曲をセトリにしているかな。
そして、ゲストとしてジャック・ホワイト(元ホワイト・ストライプス)や、クリスティーナ・アギレラ、ブルースシンガーのバディ・ガイが登場する。
アギレラと歌った「レット・イット・ブリード」からの「リブ・ウィズ・ミー」という曲も素晴らしかった。
アギレラの声量とパフォーマンスが圧倒的なのである。
途中で入るサックスのソロもカッコイイ!
バディ・ガイと競演したマディ・ウォーターズのカバー「シャンペン&リーファー」も見所の1つ。
当時バディは60代後半か。
すっごい迫力ある声で歌いあげている(笑)
マジ凄い。
ミックの存在感をかき消してしまうほどの声量。
圧倒的だ。
途中で入るブルースハープの響きや、ギターソロがよりブルージーな雰囲気を醸しており、この映画の1つのハイライトと言っても良いんじゃあないかな。
バディ・ガイは現在も活動しており、2022年にはアルバムも発表している。
年齢はストーンズよりも上の87歳!
生きる伝説とはこのことか。
凄すぎます。
そしてシャイン・ア・ライトの見所として上げたいのが、キース・リチャーズがボーカルを取るシーンである。
2曲ほどキースの歌っている曲があるのだが…
ミックと違った魅力を醸している。
激シブです(笑)
特に「レット・イット・ブリード」に収録されている「ユー・ガット・ザ・シルバー」というブルースナンバーのプレイが忘れられない。
スライドギターの調べと、キースの味わい深い歌声が激シブです。
何て熟成感漂い、貫禄たっぷりに歌いあげているんだろう…
ちなみにオリジナル版の頃は、キースの声は高くそこまで渋みは感じなかった。
80年代初め頃に声変わり(?)して、渋めの低い声になってから歌う曲は渋みを感じる。
この「ユー・ガット・ザ・シルバー」しかり…。
キースのナンバーが終わった後に「悪魔を憐れむ歌」や「スタート・ミー・アップ」、「ブラウンシュガー」、ラストに「サティスファクション」など後半戦を盛り上げていく。
どの曲も超有名曲でストーンズのスタンダードナンバーと言っても過言ではなかろうか。
「悪魔を憐れむ歌」は傑作アルバム1968年発表の「ベガーズ・バンケット」のオープニングナンバー。
サンバのリズムに乗せて哲学的とも言える内容で印象に残るナンバー。
「フッフー!」と印象的な掛け声が忘れられない。
「スタート・ミー・アップ」や「ブラウンシュガー」もそうだし、観客も思わず合いの手を入れられるような印象的な曲が代表曲には多い。
特に「スタート・ミー・アップ」の冒頭のギターのリフは、何とも言えないほど耳に残るリフだ。
キースの生み出すマジック。
そしてミックの歌唱。
当然のことながらチャーリーのドラミングなど、代表曲を聴くと、色々な要素が混ざり合ってストーンズのクセになるサウンドの正体を感じる気がする…。
「ブラウンシュガー」の、観客と一緒になって「フ~!」とお決まりの掛け声をあげている瞬間など、何ともうらやましい。
あ~
ライブ行きたい(笑)
そしてラストにこれまたカッコイイリフで始まる「サティスファクション」で大団円。
今思い出しても、聴き直しても素晴らしい作品だったな~。
文字通りストーンズにライトを照らしたライブ映画「シャイン・ア・ライト」。
マーティン・スコセッシ監督ありがとうございます!
そしてザ・ローリング・ストーンズ最高です。
ちなみに「シャイン・ア・ライト」というタイトル。
「メインストリートのならず者」に収録されている同名の曲がある。
こちらのナンバーがエンド・クレジットが流れる時に劇中歌として使われている。
歌詞内容が励まされるような内容で大好きな内容だ。
オススメのナンバーでもある。
最後に
・映画の予告編
・ユー・ガット・ザ・シルバー
・サティスファクション
・シャイン・ア・ライト
・ジャンピン・ジャック・フラッシュ
動画で添えつけてみました。
よろしければご視聴下さい!
記事を最後まで見て頂き誠にありがとうございます!
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