アートによる刺激の面白さ -荒木由香里[Talkative happy colors]@銀座 蔦屋書店
日曜日の銀座、歩行者天国。
荒木由香里 個展「Talkative happy colors」@銀座 蔦屋書店 インフォメーションカウンター前 (- 02/16) へ。
展示の中で特に目を引いたのは、3足並んだ赤いハイヒール。
近寄って覗き込んでみれば、
そこにはさまざまな物たちが、挿し込まれている。
作家のステートメント
後になってステートメントを読み「なるほど」となったのだけど、わたしが連想したのはこんなことだ。
思わず靴を擬人化して
ハイヒールは美しい。頑張って履いていたこともあるが、苦痛に耐えらえなくなって、やめた。正直、この作品を観てはじめに思い出したのは、足の指の痛みだ。
その痛みの記憶とともに、わたしは靴を思わず擬人化していた。靴の中に挿し入れられたさまざまなものを観ることで、深読みに次ぐ深読みをして、いろいろ考えこんでいた。
作家のステートメントを読み、そこに、そもそも例えばフェミニズム的主張のようなものは入り込む余地がないことを知り、そうか、思わず拡大して鑑賞していたのだなと(これも、気づかぬバイアスのひとつ?)、面白さを感じた。
思いもよらぬところが刺激される
ただ美しいだけでなく、そこには一本通った、その作家の筋道がある。それがアートの素敵なところだ。
そして、作家の文脈に乗って流れるように作品を鑑賞し(たとえば本個展なら、彩色せず同時代の同じ色のものを、パズルのピースのように集めるという一見パッシブな方法で、しかしそこに静かな意図を持った一つの世界が展開するのかというふうに)、深く感じ入り、
あるときはそこから脱線して、今回のわたしのように、意外な気づき(自分はそんなふうにものごとを捉えるのだなといった)を得ることができたりもする。
アートから刺激を受ける時間は、やっぱり素敵だ。