Abbey -旅するように暮らす、暮らすように旅する-

美術展訪問記,アートや旅の写真を投稿しています。 ■instagram https://x.gd/cIODX ■kindle写真エッセイ(Unlimited会員は無料) https://x.gd/Syp6d

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マガジン

最近の記事

現実と虚構のループ(から出られない) -野沢 裕「Still Life」(-12/1)[AWT]07

 アートウィーク東京(11/7-10)。  シャトルバスで巡ったギャラリーのなかで、特に印象的だった展覧会について、今日もまとめを。  野沢 裕「Still Life」@カヨコユウキ(-12/1)。 フレームのような窓に誘われて  静かな住宅街のなかに、「ここに違いない」と存在感を放つ、小さなギャラリー。  リノベーションとおぼしき一軒家にあけられた、フレームのようなこの窓は、本当に素敵だった。 「2枚セット」展示の理由  ギャラリー内。  作品は二枚ずつ展示

    • 幾つもの「繋ぐ」がつながる -オノデラユキ『Parcours-空気郵便と伝書鳩の間』(-12/8)[AWT]06

       アートウィーク東京。都内のギャラリーを駆け足で巡った、思い出深いイベント。  特に印象的だった展覧会の記録を、本日も。 目印は「郵便ポスト」、実は  都内を巡るシャトルバスで移動して、  スタッフの方にギャラリーの場所を教えていただき、住宅街を歩いたのだけど、なかなか探せず、  そういえばパンフの写真に郵便ポストがあったよね、ということが手掛かりになり、ギャラリーが見つかった。  この外見。  元・郵便局。これは、今回の展覧会のキーでもあった。 オノデラユキ

      • 刺繍少年,刹那と永遠と -青山悟展「永遠なんてあるのでしょうか」(-11/10)[AWT]05

         アートウィーク東京。そこで出逢ったギャラリーと展覧会の記録。 「紙ではない何か」の正体は  JR飯田橋駅から、  お堀を右手に歩いて、道路を渡った2階の建物。  はじめに目に入る、刺繍が施されたスタジャン。それがヒントになるのだけど。  熱心に覗き込んで鑑賞する人々。  足元の展示作品、その素材が紙でないことは、何となくわかった。  一瞬、三島喜美代作品のことが思い浮かんだのだけど、  陶よりもはるかに軽くて柔軟なその素材は、布だ。  施されている、刺繍。

        • [AWT]04アートウィーク東京(11/7-10)来年への覚書として

           アートウィーク東京(11/7-10)。存分に愉しんだ。  今回はまとめとして、気づきやこうすればよかったという反省点を記して、来年への覚書としたい。 アートウィーク東京(AWT)とは  まず、イベントの概要から。  「買える展覧会」、映像作品プログラム「AWT VIDEO」などのAWT独自の企画……今回はバスの時間が気になってしまって、メイン会場らしき大倉集古館は、外から見るだけとなった。次回は余裕をもって。 スタンプラリー、があったらしい  こちらも、最終日の

        マガジン

        • ギャラリー,イベントで出逢った作品
          141本
        • 美術館企画展【2022-】
          67本
        • 豊島 棚田と豊島美術館
          8本
        • 旅,写真
          82本
        • 森美術館(六本木ヒルズ)
          24本
        • 丸亀市 猪熊弦一郎現代美術館
          7本

        記事

          [AWT]03アートウィーク東京(11/7-10)最終日 ルートCのバスで目黒,麻布を巡る

           アートウィーク東京、11/7-11/10。  初日の11/7と、  1日おいて、11/9にも参加した。  さて、いよいよ最終日。巡回バスに助けられて、10ギャラリーを駆け足で回ることができた。  本稿はそれぞれのギャラリーの概要、展示の簡単な紹介を。 ルートD→C→Dを巡る  最終日も、出発は東京オペラシティ。始発10時のバスに乗ることができた。  新宿、原宿、六本木を巡るルートDから、六本木界隈で麻布、目黒から天王洲エリアを運行するルートCに乗り換えて一周し

          [AWT]03アートウィーク東京(11/7-10)最終日 ルートCのバスで目黒,麻布を巡る

          [AWT]02アートウィーク東京(11/7-10)ルートDのバスで原宿,青山界隈を巡る

           アートウィーク東京。  初日の11/7に参加して、  1日おいて、11/9の記録。 東京オペラシティアートギャラリー(D5)  本日のはじまりは、最寄りの東京オペラシティ。  松谷武判展。その感動は記したとおり。  バスの発覚場所は、甲州街道沿いのほうに。 ギャラリー38(D6)  バスは西新宿から原宿エリアに。

          [AWT]02アートウィーク東京(11/7-10)ルートDのバスで原宿,青山界隈を巡る

          [AWT]01アートウィーク東京(11/7-10)初日 ルートAのバスでギャラリーを巡る

           アートウィーク東京開催。今年で4回目。  無料のバスで、6エリアを巡ることができる。  初日は、自分では回りづらい、(竹橋発)飯田橋~鶯谷をぐるりと大きく巡る路線を選んで、小規模なギャラリーを鑑賞して回ってみた。  イベントのようすと、回ったギャラリーの情報を記しておきたい。 飯田橋駅~ミヅマアートギャラリー(A2)  A路線のスタートは、東京国立近代美術館だ。だが今回は、普段はなかなか足を運べない小規模ギャラリーを中心に回ることと決め、飯田橋駅から、友人との待ち

          [AWT]01アートウィーク東京(11/7-10)初日 ルートAのバスでギャラリーを巡る

          母性のイメージを超えて-Danielle Orchard MOTHER OF GLOOM@ペロタン東京(-11/10)

           10月某日、六本木。  この女性の表情に惹かれて、  ダニエル・オーチャード個展へ。 妊婦のたたずまい  ダニエル・オーチャードの作品では、妊婦は、ひとりの人の持つ一要素として描かれている。母性とか神聖さとか、そういうものとは無縁で、ただ、妊娠をしている一人の女性、として。  そういえばこれって珍しいことなのではないか。観る者はどうしても(現実での妊婦さんに対しても)、そこに何かのストーリーや感情、意味合いを期待してしまうから。 「Mother of Gloom

          母性のイメージを超えて-Danielle Orchard MOTHER OF GLOOM@ペロタン東京(-11/10)

          浮遊させない抽象,重力の意識 -松谷武判 TAKESADA MATSUTANI@東京オペラシティアートギャラリー(-12/17)

           松谷武判 @東京オペラシティアートギャラリー(-12/17)  友の会(年パス的なもの)会員であり、拠点から徒歩圏内であることもあって、もう何度も訪れている。空間に没入して、作品と一体化できる展覧会だと感じる。  休日でも、それほど人がいないことが多い気がするのだけど、好きな人ははまり込んでしまうと思う。公式ウェブサイトの「展示構成」に従って、感想も交えながら、写真で紹介していきたい。 1. 初期から「具体」での飛躍へ:「新素材」ボンドで未知の表現を拓く。  抽象画

          浮遊させない抽象,重力の意識 -松谷武判 TAKESADA MATSUTANI@東京オペラシティアートギャラリー(-12/17)

          静かな生の息吹 -塩田千春「つながる私(アイ)」(-12/1)

            塩田千春「つながる私(アイ)」(-12/1)を鑑賞しに、大阪中之島美術館(大阪市北区)まで、。  大阪中之島美術館へは、約2カ月ぶり。  塩田千春作品は、約10カ月ぶり。 最寄り駅から美術館への道  美術館までの堂島川沿いの道がとても好きなので、最寄りのJR新福島駅から歩く(帰りは、観光がてら、のんびり大阪駅まで歩いた。意外に近くて、楽しい道だった)。  川沿いを進むと、  高層ビルたちに挟まれた黒い特徴的な建物と、ヤノベケンジ氏のオレンジ色を纏った猫の姿が見

          静かな生の息吹 -塩田千春「つながる私(アイ)」(-12/1)

          【写真】豊島 -棚田と豊島美術館,再び(宇野港ルート):後編

           10月某日。朝7時前の岡山駅発、特急バスに乗り、  宇野港へ。  宇野のチヌたちに再会し、  高速船に乗船して、  豊島の唐櫃(からと)港へ。  山道をゆったりと歩き、  見晴らしのいい棚田まで。  今回は、その続き。 散歩道へ  豊島の棚田の保護管理は、プロジェクト化されている。

          【写真】豊島 -棚田と豊島美術館,再び(宇野港ルート):後編

          【写真】豊島 -棚田と豊島美術館,再び(宇野港ルート):前編

           岡山県の総社(そうじゃ)市で、アートイベントがあり、  友人たちの出品・出店の写真を撮らせてもらうなどして、まるで文化祭のような1日をすごし、  その翌日は、皆で倉敷をはじめ周辺の観光をしつつ、  別れの名残を惜しんだあと、  わたしは岡山駅付近に宿泊し、  翌朝。 7時前の特急バスで、宇野港まで。 宇野港

          【写真】豊島 -棚田と豊島美術館,再び(宇野港ルート):前編

          文化の発信地から放たれるアート作品 -P.O.N.D(PARCO MUSEUM TOKYO-10/14)

           某日、渋谷PARCO。  渋谷PARCOのカルチャーフェスティバル、P.O.N.D(Parco Opens New Dimension)開催。  特に印象的だった作品を中心に振り返っていく。 「Relay」yoh murata  7枚の紙焼きの写真が置かれ、その上からプロジェクターで映像が投影されている。  それは「写真と全く同じ画像」だ。  投影はモーター仕掛けによってゆらぎ、観ていると視界ぐらくらしてくる。7枚がランダムに動いているようすは、不思議で引き込ま

          文化の発信地から放たれるアート作品 -P.O.N.D(PARCO MUSEUM TOKYO-10/14)

          言葉以前に惹かれて離れられない -ルイーズ・ブルジョワ展(森美術館 -1/19)

           某日、六本木ヒルズ。  ルイーズ・ブルジョワ展へ。  心待ちにしていた。 「お蔵入り」にする前に  ルイーズ・ブルジョワの作品はどこか強く惹かれていて(というか、好き嫌い以前に目を離せないなにかがあって)、六本木ヒルズの蜘蛛の作品タイトルがお腹に卵を抱えた蜘蛛「ママン」であることを知ったときに「やっぱり」と思った。  展覧会がはじまってすぐ鑑賞し、9/29のキュレーターズトークも観覧した。そこで「好き」の理由がいろいろ腑に落ちたわけだけど、その「好き」という感情は

          言葉以前に惹かれて離れられない -ルイーズ・ブルジョワ展(森美術館 -1/19)

          所蔵作品を無料公開 [マティス -色彩を奏でる]@ポーラ ミュージアム アネックス

           某日、ポーラ銀座ビル(銀座一丁目)。 所蔵作品を銀座で無料公開  3階のギャラリー、ポーラ ミュージアム アネックスで同ビル15周年を記念したマティス展が開催されている。入場料無料。ポーラ美術館所蔵のマティス作品(絵画5作品、切り絵20図、ほか)が鑑賞できる。 絵画 切り絵  対の壁には、晩年の切り絵が展示されている。

          所蔵作品を無料公開 [マティス -色彩を奏でる]@ポーラ ミュージアム アネックス

          5編の"物語"の中で -[大地に耳をすます 気配と手ざわり](東京都美術館)

           某日、東京都美術館。  感想をはじめに述べるなら、1人ひとりのアーティストの作品数が多く、その世界観を堪能できた。そして最後に5人の世界観が重なりあい、タイトルにもある大地の気配、手触りに回帰していくような、静かな感動を味わうことができた。 川村喜一  タイトルに「インスタレーション」という文字があり、展示の意図が伝わってきた。(もちろん会場の都合はあるにしても)、作品がワイヤーで吊るされ、作品同士が物理的につながっている点も。  シルクスクリーンに印刷された作品が

          5編の"物語"の中で -[大地に耳をすます 気配と手ざわり](東京都美術館)