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XIIX「煌めき」は生きるものへの賛歌だと感じた
TVアニメ「マジック・メイカー -異世界魔法の作り方-」のオープニング主題歌、XIIX(テントゥエンティ)「煌めき」の感想です。
🔸"TVアニメタイアップ"と聞いて
2024年秋に、知らないTVアニメとのタイアップがXIIX公式からお知らせされました。
知名度の高い「ドラゴンクエスト ダイの大冒険」の主題歌に決まった時に比べると、「へぇ」と思ったぐらい。エンディング主題歌はハンブレッダーズとのことで、「へぇトイズさん(TOY'S FACTORY)営業おつです、知らんけど」ぐらいに。すみません、素人が適当なこと言ってます。
ダイに書き下ろされたXIIXの「アカシ」も、ハンブレの「名前」も大好きですし、XIIXが生み出す楽曲は良いものに違いないので嬉しくは思いましたが、知らないアニメだし、ダイの時ほど心が弾まなかったのは確かです。
/#XIIX オープニング主題歌決定🪄
— XIIXinfo (@xiixinfo) October 18, 2024
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XIIX新曲「#煌めき」が
TVアニメ「マジック・メイカー 〜異世界魔法の作り方〜」
オープニング主題歌に決定しました!
<2025年1月放送開始>
テレ東・テレビ大阪・BS日テレ・AT-Xで放送予定
▼詳細https://t.co/ld8UiST27e#マジックメイカー pic.twitter.com/14xX8ykOnL
🔸XIIXライブツアーで「煌めき」を聞いて
2024年秋のライブツアーでいち早く新曲を聞くことができました。まっさらな状態で耳にできて良かった。
その時の感想。
・まずイントロからときめいてしまった。うわ!可愛い!カントリー調!粂さん(サポートギター)アコギだ!
・ギターの音がバグパイプみたいに聞こえたところがあって、異国のファンタジーとか冒険ものっぽい世界観、でもちゃんとXIIXの音楽だ!って、一気に興奮が加速して嬉しくなってしまった。
・ポップで可愛らしくて軽やかで、アニメの内容は全然知らないけど、頭の中でキャラクター達が生き生きと冒険をしている様子がなんとなく思い浮かびました。音楽の力ってすごいな。
・最初から最後まで、ずっと楽しくてハッピーだった。XIIXにこんな可愛らしい顔があるなんて。心踊る初披露でした。
・帰宅してからアニメのPVを見ましたが、やっぱり先にライブで聞いて良かったと思ったな。自分なりの曲のイメージを最初に受け取れたというか、先入観なしで聞けて良かったです。
「煌めき」っていうタイトルも、極めてXIIXらしいし、今回の「So Many Stars」ツアーにもぴったりです。
「ダイの大冒険」は誰もが知るドラゴンクエストが題材なので、アニメの内容が想像しやすく、聞く前に曲のイメージが膨らみました。
でも「マジック・メイカー」は、「魔法ものか」ぐらいのぼんやりとした想像。
それなのに、イントロが始まった途端にXIIXの描く「マジック・メイカー」の世界が脳内に広がり感動したのです。むしろ、解釈の範囲が広いからこそ自由に受け取れて良かったかも。
それに、新曲をライブで初めて聞いて感動できる喜びを味わえてハッピーだったな。
🔸Digital Single「煌めき」を聞いて
2025年1月に「煌めき」がリリースされました。「うわー好き!」と、やっぱり心が躍りました。
🔹バクパイプを想起するイントロ
ライブで聞いた時も思ったのですが、イントロがバクパイプっぽくてときめく。バクパイプ(スコットランド)って異国情緒に溢れる音色だから、「ここは異世界なのだ」と瞬時にして身体が納得した気がします。新しいXIIXの色を感じました。
「アニメ」「バクパイプ」って言うと「キャンディ・キャンディ」のワンシーンが思い浮かびます。古いな、年バレるな。子供の頃は意識してなかったけど、「キャンディ・キャンディ」ってイギリスの話なんだよな。
あと異国情緒って言うと「世界名作劇場」を思い出します。「アルプスの少女ハイジ」とか「フランダースの犬」とか「赤毛のアン」とかの超名作シリーズ。
だから、イントロだけで時代や国を問わず名曲の香りがする、と感じたのかもしれません。
アニメの1話を観ました。アニメの1話って、まずプロローグみたいなものを挟んで途中からオープニング主題歌、という変則的なパターンもありますが、いきなりズバリとオープニングが始まったのが良かったです。ストーリーの先入観を受けなかった。
自然豊かな背景で、可愛らしいキャラクターがくるくる動いている、勝手に想像していたイメージ通りです。綺麗なアニメーションにXIIXの音楽が映えていると思いました。
ストーリーも、序盤はまるで世界名作劇場のように、日本ではない異国の平和な家族の姿が描かれていて、すっと話に引き込まれました。
(ただし途中から、え?姉弟の過剰な愛?と、ややとまどう展開になってしまった。苦手な分野のため。)
🔹連想した「ダンジョン飯」OP
さらに頭をよぎったのが、アニメ「ダンジョン飯」のオープニングに書き下ろされた、BUMP OF CHICKENの「Sleep Walking Orchestra」です。
ケルト風のアレンジがされている曲で、わかりやすく異国を感じるからだろう。こちらも魔法の異世界を描いている物語なので、自分の中で関連づけられたのだと思われます。
XIIXの中の「BUMPっぽい部分」が垣間見えたような感じがして楽しい。
あと「車輪の唄」も同じ系統を感じます。軽やかなビートを刻む旅路系。
🔹リズム
Aメロと共に、鼓動のような、車輪が軋むような音が規則的に耳に飛び込んできたのが印象的です。湯船でイヤホンで聞いていて、自分の鼓動かと思ってちょっとびっくりした。(自律神経の不調があり、ドクンドクンと感じることがたまにあるので余計に。)
すってぃのアイデアかしら。
クラップのように弾むリズムも好きです。物語が軽やかに進行している。
XIIXの音楽の何が好きって、どうしようもなく心と身体が弾むビートがたまらなく好きなのですが、そのことを改めて感じます。
ドラムはよっちさんだと判明。さすが頼もしいな、と感じるビート。
久しぶりにXIIXに呼んでもらったよん https://t.co/YQRWwYNgKm
— 河村吉宏 よっち (@yotchitchi) January 10, 2025
🔹ベース
ベースは軽やかでありつつも、常に一定でどっしりと物語の土台を支えてくれる感じがあっていいなぁと思う。
すってぃはトリッキーなベーシストだから、曲によっては派手で愉快な遊びをするけれど、「煌めき」ではそこは狙っておらず、物語に寄り添っているのだなと感じました。
間奏では、ギターと絡み合いつつ、前に出るベースが好きだなぁと思う。2人が並走しながら、愉快に旅をしているみたい。
🔹歌
軽やかなメロディーに、優しげな歌が乗っていく、特にファルセットが柔らかな光のよう。斎藤宏介の歌声が、可愛らしいアニメの絵と合わさることがあまり想像できませんでした。
でも、オープニングにとてもマッチしていたし、歌詞を意識してくれたアニメーションもあって良かったなぁ。素敵な調和。
何気に嬉しかったのが、サビで控えめにすってぃのコーラスが重なっていることです。すってぃの美声フェチ勢は大喜びでは。もっとボリューム大きめでも大歓迎!
🔹旅路を感じるスライドギター
間奏のスライドギター(ボトルネック奏法)がエモくて最高です。ビブラートする、揺れる音色が大好物なのでうっとり。
好きなギタリストの中では、フジファブリックの山内総一郎が名手として浮かびます。曲で言うと、くるりの「ハイウェイ」(僕が旅に出る理由は…)が筆頭に上がります。
「ハイウェイ」が大好き過ぎて、もはや「スライドギター=旅」なので、大自然を旅しているような雄大なイメージが強く浮かぶのです。アニメの主人公たち、そしてXIIX自身の旅路の途中だと言うことも、表現しているのかなという想像力が働きました。
あとスライドギターと言えば、アニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」でヒロインのぼっちちゃんが機材トラブルの際に機転を利かせて、空のワンカップ酒の瓶でスライドしたシーンが、ロックバンド好きには有名ではないでしょうか。
っていうか斎藤宏介がスライドギター!?
と改めて今さらびっくりしたのですが!
1度だけ参加したライブツアーで初聞きした時に、全く気が付かなかった自分が残念です。
あの時、やってたっけ?
その日私は体調が悪くいつもの50%の集中力、またすってぃ正面だったので、すってぃばかり見ていた、という事実も手伝って悔やまれます。
UNISON SQUARE GARDENでは悠長にスライドやってる暇ないでしょうからね。「スライドする、スライドする」なんて歌もありますけどね(意味が違う)。
過去に私は宏介のボトルネック奏法を見た記憶がないんですけど、あったっけ???
「煌めき」のリリース直後に、ユニゾンのシングルツアー公演(東京ガーデンシアター)がありました。「煌めき」に心奪われている状態なので、斎藤宏介を見て、「いつスライドギターしますか?ハァハァ」という錯乱状態を起こすなど。
という冗談はさておき、ユニゾンの11曲目(ツアー中なので伏せます)のギタープレイを見て、「そうだ、私の大好きなこの曲、間奏がちょっとスライドギターっぽい揺れがあって良いんだよなぁ。え?銀色のやつ、はめてませんよね!?」と、思わずガン見してしまった。(はめてません。)
斎藤宏介のギター、やっぱ良いなぁ。ファンになったきっかけはボーカルに耳を奪われたからですが、年々ギタリストとしての好き度も上がっている。
いつだったかラジオを聞いていて、「このギターの音色、XIIXっぽいわ最高」と感じてオンエア曲を調べたら、ジェフ・ベックだったことがあって、そら最高に決まってるやろ!と自分に突っ込みを入れました。
ジェフ・ベックに関する参考記事。
🔸「煌めき」ミュージックビデオ
テーマ通り、魔法が表現されたPOPでカラフルで可愛らしいMVでした。私が勝手に抱いた大自然の旅路のイメージとはかけ離れていましたが、演奏シーンがいっぱい見れるので最高です。
すってぃが、ライブでサビ前によくやるアクション(指差し)も入っててテンション上がるわ。
![](https://assets.st-note.com/img/1736598227-7n3ayO9HtYu26QSwrjEChJil.png?width=1200)
例のスライドギターのシーン。
うわああああ!!!!!!本当にスライドしてるぅぅぅ!!!!!銀色の煌めきぃぃぃ!!!!!
という高揚。
ライブではサポートギターの粂さんが、「まばたきの途中」でスライドギターしていたことはありました。最高でした。
だから、音源を聞いた時に「これは粂さん…?いやいや、ここは絶対に斎藤宏介が弾くに決まってるだろ」とか妄想していたのですが、当然宏介だった。
うわあ。うわあ。良い。
美しく柔らかく豊かに揺れる音色、音色に揺さぶられる私の細胞が喜んでニヤニヤしている。
🔸生きとし生きるものへの賛歌(という解釈)
「いつまでもいつまでも 君のそばにいたいよ」「一生一緒の約束守り抜いてみせるから」という歌詞は、主人公の気持ちと重なりそうです。
でも、アニメ主題歌でありつつ、XIIXの曲であるので、もっと大きな解釈もできます。
僕が笑えば君も笑うし
僕が泣いたら君も泣くだろう
そういうことさ全部がそうさ
僕のためがやがて
君のために全てのために
だから世界はこれからも続いてく
特にこのパートがいいなと思って、じんわりと温かな気持ちになりました。
単純に「僕」と「君」という個の話ではなく、もっと大きな流れを感じます。
自然、音楽、生きとし生けるもの、森羅万象、この世を構成する全てとの関係性を歌っているようにも受け取れる。そうやって世界は回っている。
ちょっとスピリチュアルとか哲学が入るけど、「ワンネス」という考え方が好きです。宇宙も地球も自然も人も全てが繋がっていて一つである、という考え方。
そう解釈した方が、他者との比較や争いの思考が減って、自分が生きやすくなるので。
この歌詞を聞いて、「ワンネスであるなぁ」と私的には解釈できて、なんだかほっとして温かい気持ちになったのでした。
人間だけじゃなく生物、自然、宇宙も含めた全てのものへの賛歌と言えるかもなぁ、と大きく広く捉えられるような。
斎藤宏介は、俯瞰で世界をフラットに眺めて、物事の光も影も全てそのまま認めて受け入れているような人だと感じるので、広い視点が心地良いのです。
雨に濡れてもまた日が差すし、さようならがあってもまた会えるし。
「大好きなもの夢中になると 大好き過ぎても少し苦しいよな」
「例えば夢が潰えて崩れ落ち 涙を流す子供達を見て『君の涙は美しい』だなんて気持ちはわかる けど勝手だよな」
この辺りも、非常に斎藤宏介イズムを感じます。物事を偏った目線でジャッジしない。
「大好きなものに夢中になる=良いことしかない」「挫折の涙=美しい」という側面だけではない。世間が勝手に意味づけているだけです、さも正論かのように。
(「大好き過ぎても少し苦しいよな」は、もしかして音楽大好き過ぎる宏介の本音かも、とも感じる。)
「君の声は誰にも似てない煌めき」という歌詞も、星の数だけ個性やでこぼこがあれど、自分はありのままの存在で煌めいているものとして認められるのだ、と思える素敵なフレーズです。
応援歌って、時に苦しいじゃないですか。誰でもいつでも頑張れるわけじゃないし、背中押されるのすら拒否したい時もある。そもそも、心や体を壊してまで頑張るのはお門違いです。
でも賛歌っていいよなぁ。笑って泣いて、悲しみの雨が降れば長靴はいて、一歩一歩踏みしめて、ただ生きることを賛えているので。
MVでガリバーみたいに巨大化して、外界から自分達を見下ろしているカットがあるのも面白いな。高いところから、起こる出来事をそのまま見ている視点。
巨大な手も、お釈迦様の手のひらで転がされているような、優しい大きな神秘の力に見守られているような印象を受けました。
🔸「きっとさめない魔法」
書き下ろしに際して、以下のコメントが公式発表されました。
人は信じられない出来事を目の当たりにすると『魔法』という言葉で片付けたがったりもしますが、ひょっとしたらそれは日々の力強い歩みの先にようやく手にすることのできる一瞬の煌めきなのかもしれません。
シオン達の旅路に愛をこめて!
生きていれば泥臭いこともたくさんあるから、本当は「魔法」という安直な言葉では表現しきれないのだけれど、魔法アニメのタイアップでもあるし、人生の積み重ねで起こる1秒の煌めきを「きっとさめない魔法」と表現してみたよ、良い曲でしょ?
ってXIIXに言われているような気がしました。
わかるー。うんうん、良い曲だな。
泥臭い僕の旅路は
魔法って言葉じゃ足りないけど
たった1秒の煌めきは
きっとさめない魔法
人の数だけ「きっとさめない魔法」はたくさんあるでしょう。
私にとってXIIXの音楽も「きっとさめない魔法」のひとつかも。私の旅路で、誰にも似てない煌めきを放っているよ。
ライブでたくさん聞きたい曲がまた増えました。
トップに使っている写真は、「煌めき」リリース日に帰り道で見かけた麻布台ヒルズのイルミネーション。「うわあ、煌めきだなぁ」とシンクロして嬉しくなりました。
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