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刀篤(かたなあつし)
2023年2月25日 09:05
犬を虐めている子供を平手打ちして逆に泣かされるいつか復讐してやるぞとじっと公園を睨め回す夕刻温かい温かい手首から血を抜いたあと涎を垂らしながら流しで食パンを1斤食べた親から見捨てられたわたしに俺は見捨てないなんて嘘を吐くな
2023年2月24日 19:56
辺り一面を分厚く白く修正し生命を手厚く葬らんと雪が降り続ける真冬の東京に白い野犬が紛れ込んだサクサクと闇に溶け往く様に積もった雪の重みを踏みしめ夜の都市に擬態する野犬その生物多様性に死の咆哮を精神神経科の夜勤病棟然とした更生施設に野犬の叙事詩は漂着しフィレンツェの憑依霊能者然とした構成作家が野犬の抒情詩を漂白する【遍く正当に評価せず/
2023年2月10日 19:54
『アサガオ』眼下の、細雨に烟る瀬戸内海。窓に走る雨粒、車線変更のウィンカーカッチ、カッチ、カッチ、カッチわたしは転校生になった。父と母は去った。これからは叔母と暮らす。今日は夏至の雨アサガオの、芽吹きを今年も記録した。少々の雨なら、敢えて濡れてゆくようなそんな主義の女性に、わたしは成りたかった。植木鉢を抱き、助手席に収まったわたしこのアサガオの観察日記は完成させよう…
2023年2月5日 23:40
『無限の液体』コップ一杯の表面張力潤滑油はいつも臨界で目が合えば一瞬で太股を溢れ落ちるそれはとめどなくとめどなく……やがて手が滑って最後は粉々に砕け散るセロハンで継ぎ接ぎ修復してももう遅いこの無限ループ再起不能だと何遍思った?もうウンザリだいつも私の方が間違っているんだ目が合うんだ逃れられないコップは常に満杯だまた溢れ落ちる地獄におちろもう疲れた私は