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【詩 見えない影】

雨は静かに降っていた

秋雨は囁くように

静かに雨音を立てていた

厚い雲の向こう側で

ひっそりと
ゆっくりと
夕焼けが今日の務めを終えて
沈んでいく

誰にも見えない夕陽に
走り去る電車が手を振った
遮断機が雨粒飛ばして
“おつかれさま”と手を振った

雨はやまない
静かに降り続けるだけ

誰か見てる?と
雨雲

誰か聞いてる?と
風の声

ほっぺたに触れた
ちいさな雫

耳元にやさしく囁く
雨の匂いを帯びた風

暗くなるまでの僅かな時

立ち止まり
振り返る

ほら、そこに…ね

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